出版社内容情報
中国最古の詩歌集「詩経」と,唐を中心としたすぐれた詩人11人を選び収める.詳細な語釈と,現代的感覚による流暢明快な通釈を付して,中国古典詩の世界を現代の読者に紹介する.* 〈1990年9月/新装版発売〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
6
曹操の三男(正確には五男か?)にして杜甫が登場するまでは詩聖と呼ばれた曹植の詩集。曹植まで友情を詠う詩はなかったようですが、同朋である建安七子のことらを想う詩があったり、それにしても異母弟彪への詩が多く、漫画「曹植系男子」でよく登場していたのがよくわかる。曹植の有名所の七歩詩はあるものの、洛神の賦はない。兄嫁である甄氏への慕情を謳った詩という伝説はあるが嘘っぽいとのこと。一首だけ戦場に赴く勇ましい詩があり、これが一番好みかな、戦好きとしては。2016/11/28
aoto
2
漢詩の、切り取って描かれている情景や心理描写に想いを馳せるのが楽しい。あるいは漢字のカッコよさに痺れてしまう。「流風衡を翼け」とか見た目からして最高。曹植は三国志にも登場する人物で、内容は為政者を取り巻く環境を歌ったものが多い。権力者的な人の描く人の心のあらましが素敵に感じられます。2020/02/16