出版社内容情報
日本人として初めてユング派分析家の資格を取得し,以来40年近く,日本における臨床心理学の確立に努めてきた河合隼雄氏の考察は,心理療法から宗教,教育,文学,日本文化論など多様にひろがり,内外に決定的な影響を与えつつある.本著作集では,第I期に続き氏の業績を新たなテーマ別に編集・集成し,各巻にはその主題にそった著者自身による序説を付す.また,幅広い分野の第一人者たちによる月報を付し,著者の領域を超えた執筆活動を重層的に位置づける.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
6
本書には、Ⅰ.序説「現代人と超越性」、Ⅱ.「ユング心理学と仏教」、Ⅲ.仏教或いは宗教関連著作10編(「仏教の現代的意義」~「儀式と遊び」)が含まれている。 その内、Ⅱ.については、(岩波現代)文庫版にて既読。心理学と宗教の関連性、特に東洋思想や禅について、また、科学と宗教の役割についての記述。著者の心理療法家としての豊富な臨床経験と自身の個人的な体験をもとに書かれたエピソートが多く、平易で分り易い。至る所で示唆に富み、かつ気付き・学びが得られた良書。本書から、読みたい本に繋がっていく(読メ登録済)。2012/03/25
v&b
0
『ユング心理学と超越性』。やはり河合隼雄はすばらしい。この人のものを、追いかけたくなった。2008/10/27
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- 和書
- 春の水 岩波文庫