出版社内容情報
戦後日本有数の言語学者である鈴木孝夫先生は,欧米の学問輸入に甘んぜず,文化人類学や言語社会学の方法に拠って独自の知的視座を確立し,その成果をやさしいことばで世に問うたことで知られる.本著作集は,ことばの研究をとおして「個人と社会,日本と世界」の関係をあかし,読者の明日に確かな示唆をあたえるであろう.
目次
1 教養としての言語学(記号としてのことば;ことばの働きとあいさつ;指示語のしくみ;人称をめぐる諸問題;「言語干渉」から見た外来語)
2 物の見方・考え方(言語学の新たな出発;日本語学はなぜ成立しなかったか;日本文化のしくみを理解することの難しさについて;人間にとって分かること、分からないこと;理解と誤解 ほか)