出版社内容情報
ミヒャエル・エンデ氏は1995年に亡くなりましたが,以後,氏の作品はそれまでにも増して多くの読者に迎えられています.エンデ氏が危惧していた様々なこと-消費の欲望にかられること,自然を破壊すること等-は,今日,ますます深刻の度を深めています.偉大な作家としての側面はもちろんのこと,現代文明への鋭い批判の目を決して失うことのなかった稀有な思想家としての姿を,あますことなく描きだした全集.この度,読者からのご要望にお応えして再刊します.
目次
永遠に幼きものについて―国際児童図書評議会東京会議での講演
王国
文体のはったり
ファンタジーとアナーキー
「おそれるな」
言葉の生産高
詩人からの瓶に入った手紙―ホセ=ルイ・メリーノのインタビュー
シリウス星への電報
演劇批評家
強制する思考〔ほか〕
著者等紹介
田村都志夫[タムラトシオ]
翻訳家。1952年生。リッペ専門大学室内建築科およびフライブルク大学哲学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へんかんへん
3
この二冊はもう一度読む2022/07/31
MaRuTaTSu
1
すらすらと読んで把握出来た上巻と違って、下巻ではなかなか頭に入ってこない(未だによく分からない)ものがいくつかあった。ただ「世界を説明しようとする者への手紙」には、エンデの文学・芸術観がはっきりと表れていると思う。2013/03/24
723
0
エンデは、「モモ」や「はてしない物語」のイメージが強かったのでいろいろな断片めいたものを読んでみてとても印象が変わった。独裁者や収容所に対する嫌悪が皮肉めいた形ででているものが面白い。でも私が一番好きなのは、エンデがカメについて好ましい点をあげている文章です。「カメは笑っている」。かわいい。2012/07/21
みやか
0
2時32分読了。まさしく物語の冒頭という感じの作品が収録されており、続きが読みたいという気持ちと、エンデ氏も冒頭だけを書くことがあったんだなぁという感慨のようなものを感じた。「祖母は中国庭園にすわり、泣いている」で戦時下のドイツの様子を興味深く読んだ。国家アイデンティティの確立においてドイツに苦悩があったとエンデ氏は綴っている。うまく言葉にできないが、日本も似ているような気がした。2010/02/28