出版社内容情報
ミヒャエル・エンデ氏は1995年に亡くなりましたが,以後,氏の作品はそれまでにも増して多くの読者に迎えられています.エンデ氏が危惧していた様々なこと-消費の欲望にかられること,自然を破壊すること等-は,今日,ますます深刻の度を深めています.偉大な作家としての側面はもちろんのこと,現代文明への鋭い批判の目を決して失うことのなかった稀有な思想家としての姿を,あますことなく描きだした全集.この度,読者からのご要望にお応えして再刊します.
目次
闇の考古学―画家エドガー・エンデを語る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mope
3
ミヒャエル・エンデが好きで購入しました。エンデが、画家であった父についてクリッヒバウムという美術史家と行った対談をまとめた本。一番面白かったのは対談が全然かみ合っていなくて、それぞれがそれぞれの主張を繰り広げていくところで、こういうのって日本人だとあまりないかもしれないなぁと思いました。芸術についての話はあまり興味が持てなかったのですが、思想の流れとして「分解して理解する」原理が強くなりすぎて人間が生きづらくなっている現状と、これからは新しい統合が必要とされていくだろうという話が興味深かったです。2017/12/02
きりさめ
3
ミヒャエル・エンデが画家である父エトガー・エンデについて語った対談集。エトガーの作品の世界観の奥行きの深さに少しだけ触れることができた気がする。薄暗い独特の雰囲気を持ち、どのジャンルにもカテゴライズされない画家であるが故にあまり理解されなかったのだなと。エンデ父子の芸術観は共感できるところが多くあった。2016/05/28
natsu
3
芸術をゲートとして使う人の対談集。エンデとクリッヒバウムは驚くほど噛み合ってないけど、エンデの言う話はなんとなく分かる気がする。独特の世界観がある、明晰な人。2012/08/28
瀬尾
1
哲学的な内容は難しいけれど、エドガーが何を描こうとしていたのかは少しわかった気がする。エンデも父からかなり影響を受けていたということがうかがえた。2015/10/29
不以
1
エンデの対談。精神・芸術・魔術・言語についてガリガリ語る話。幻想的(?)な世界観を物語によらず語られるというものが、思いの外に面白かった。2015/10/12