出版社内容情報
ミヒャエル・エンデ氏は1995年に亡くなりましたが,以後,氏の作品はそれまでにも増して多くの読者に迎えられています.エンデ氏が危惧していた様々なこと-消費の欲望にかられること,自然を破壊すること等-は,今日,ますます深刻の度を深めています.偉大な作家としての側面はもちろんのこと,現代文明への鋭い批判の目を決して失うことのなかった稀有な思想家としての姿を,あますことなく描きだした全集.この度,読者からのご要望にお応えして再刊します.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吟遊
8
悪い魔法使い(黒魔術師)が主人公という、エンデのメルヘンにしては感情移入しにくい作品。7時間のなかの物語で、章ごとに時間が刻々と過ぎてゆく。さほどサスペンスの感はないが。。エンデらしく科学と産業と戦争の現代文明を叩く仕掛けがはっきり仕込まれている。2017/06/10
刳森伸一
5
コミカルなタッチで描かれる児童文学。悪魔との契約の履行が困難となって魂を取られそうな伯母と甥の関係にある二人の魔法使いが起死回生のために作り始めた魔法のカクテルにまつわる物語。二人の魔法使いは共に悪人だが、最後には少し可哀想になってしまった。文明批判の寓話とも読めるけれど、とりあえずはそんなことは気にせず楽しく読むのが吉かなと思う。2021/12/18
twinsun
3
素晴らしいネコとカラスに出会った。沢山の人に会って欲しい。2019/04/03
カキフライ
1
数十年ぶりのミヒャエル・エンデ。娘に勧められて読んだ。 ここ数年は小説を読むのがしんどかったが、読み始めたらサクサク読めた。めでたしめでたしで終わるだろうとは判っているのに、先の展開にワクワクした。甥・伯母のドス黒騙し合いと、当たり前なら天敵のはずの烏と猫コンビの対比がよかった。 物語の力はすごい。【図書館】2017/07/02
ster
0
最も優れたファンタジー。2013/04/04