出版社内容情報
ミヒャエル・エンデ氏は1995年に亡くなりましたが,以後,氏の作品はそれまでにも増して多くの読者に迎えられています.エンデ氏が危惧していた様々なこと-消費の欲望にかられること,自然を破壊すること等-は,今日,ますます深刻の度を深めています.偉大な作家としての側面はもちろんのこと,現代文明への鋭い批判の目を決して失うことのなかった稀有な思想家としての姿を,あますことなく描きだした全集.この度,読者からのご要望にお応えして再刊します.
目次
はてしない物語(下)
著者等紹介
上田真而子[ウエダマニコ]
翻訳家。1930年生。京都府立女子専門学校卒、ドイツ、マールブルク大学中退
佐藤真理子[サトウマリコ]
上智大学文学部独文科卒。1974年より1985年まで、ミュンヘン国際児童図書館日本部門勤務
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
催涙雨
57
解説が「まさに」っていう感じのことを書いてくれている部分が多いのでいちいち自分の言葉に直すのもばかばかしいような気がするのだが…。本を読むことの楽しさがほんとうの意味で凝縮されている構成の上巻のほうがやはり面白さでは圧倒的だったように思う。もちろん下巻があって初めて作品として意味合いが出てくる(それぞれの物語が片方の蛇のような役割を担っている)のだが、バスチアンと一緒に前のめりになりながら物語を追っていたときの純度の高い“楽しさ”とは違ったベクトルの話になっていくので、そのときの感覚が失われていくようなあ2020/01/31
ねこ
5
ゆきて帰りし物語の、帰りし部分。坑夫が掘り出す地層のような夢が印象的でした。ファンタジーとは何かを教えてくれる本でもありました。2018/12/27
李部紅子
5
何かを得るためにはそれが大なり小なり代わりに失うものがあって、最後に残るのがその人の真の望みなのか…バスチアンは思いもよらぬところで語り合える友を得たんだなー。それと同時にあの人もそういう友を得たのか。はー、読んで良かった!2016/02/23
ゆゆ
4
再読。子どもの頃読んで、どんどん嫌なやつになっていくバスチアンに気分が沈んだ覚えがある。今回読んでもやっぱり(バスチアンは馬鹿だなぁ…)とつらくなってしまった。ただあとがきがすごく良くて後半の展開にも納得がいった。2016/02/27
紫暗
4
下巻は上巻とは打って変わって物語の中心が主人公となります。そこから典型的な主人公の成長物語が始まるわけですが、典型的でありながら決して飽きさせない展開と哲学的な意味を含む数々の出来事に引き込まれました。個人的にもともと少年の友情物には弱いのですが、久々に活字を読んで泣いてしまうほどの感動ぶりでした。大人は物語を通して哲学させてもらえる一冊、子供にとってはわくわくするファンタジーという読み方もできる気がしました。大人から子供まで違う楽しみ方のできる奥深い物語でした。2012/12/26