出版社内容情報
時代の変遷を見据え,己れの芸術的姿勢を曲げることなく表現した,荷風半世紀余の全文業は,今なお私たちを魅了してやまない.このたび,編年順を基本に構成するなど新たな試みを加え,三十年ぶりの新編集・決定版全集としてお届けする.
内容説明
『つゆのあとさき』は、銀座の新風俗と女性を見事に捉えて、文豪の復活を告げた昭和前期の代表作。『荷風随筆』は、屈指の名随筆家荷風の真髄を伝える。新たに別巻を増補、新出資料と荷風研究資料を網羅した。
目次
カツフエー一夕話
かたおもひ
夢
あぢさゐ
榎物語
夜の車
つゆのあとさき
成島柳北の日誌
柳橋新誌につきて
重印荷風全集叙
向嶋
帝国劇場のオペラ
上野
梅暦に就て
永井荷風先生略伝
歌舞伎座の稽古
(『現代日本文学全集 永井荷風集』序)
にくまれぐち
新聞紙について
中洲病院を訪ふ
市河先生の燼録
訳詩について
雀
巷の声
中村さんに質する文
(沼波瓊音氏)
(文学博士上田敏著述全集広告文)
上田敏氏につき
(『大衆文学全集松本泰集』序)
文藝春秋記者に与るの書
市川松莚養子襲名披露の文 代作
詩壇の泰斗
題詞
(巌谷小波先生還暦祝賀記念句集』序)
秋草
(『つゆのあとさき』はしがき)
(『つゆのあとさき』序文)
正宗谷崎両氏の批評に答ふ
申訳
百花園
大田南畝年譜
小波先生と少年文学