出版社内容情報
政治学にオーラル・ヒストリーが導入されて二五年。この間、数々の研究プロジェクトを実践し、成果を上げてきた一七人の研究者が、自らの体験をもとにオーラル・ヒストリーの方法論や活用法、今後の課題などを縦横に論じる。
内容説明
政治学にオーラル・ヒストリーの手法が導入されて二五年。以来、さまざまな研究成果が生み出され、成熟の時を迎えつつある。数々のオーラル・ヒストリーの研究プロジェクトを実践してきた研究者たちが集い、自らの体験にもとづいた方法論や活用法、今後の課題などを縦横無尽に論じる。これからオーラル・ヒストリーを始める人たちにとって最良のテキストとなるだろう。
目次
「オーラル・ヒストリー」を「作る」ことと「使う」ことの連鎖構造―「三題噺」風に
1 理論的考察(オーラル・ヒストリーは何を目指すのか;オーラル・ヒストリーからの/への逃走;オーラル・ヒストリーの方法論―仮説検証から仮説発見へ)
2 応用的考察(おしまいから読んでみよう―さかのぼりオーラル・ヒストリー;摂取世代の見たオーラル・ヒストリー 東京学派四半世紀のヒストリー―デモクラシーと現代史の好循環を目指して;質問づくり十年;オーラル・ヒストリーの世界標準とこれから―ブラック・オーラルから脱するために;オーラル・ヒストリーにおける「残し方」―課題と工夫の「共有」に向けて)
3 事例的考察(民主党「保守派」の形成―『民主党を見つめ直す 元官房長官・藤村修回想録』から見えて来るもの;民主党政権の脱原発を巡る政策過程―オーラル・ヒストリーと自叙伝から検証する;実践的オーラル・ヒストリー方法論と一九九〇年代日本政治における保守―野中広務オーラル・ヒストリーを中心に;「行革官僚」の成功と挫折;文部官僚オーラル・ヒストリー)
4 位置的考察(聞き書きの系譜;文化人のオーラル・ヒストリーをめぐって;植民地銀行のインスティテューショナル・メモリー―朝鮮銀行の戦前と戦後)
著者等紹介
御厨貴[ミクリヤタカシ]
1951年生。東京大学・東京都立大学名誉教授。公益財団法人サントリー文化財団理事、サントリーホールディングス株式会社取締役。専門は、近現代日本政治史。オーラル・ヒストリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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