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シベリア最深紀行―知られざる大地への七つの旅

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000611114
  • NDC分類 292.91
  • Cコード C0026

内容説明

ロシアはモスクワが中心と思いがちだ。しかし苛酷かつ広大なシベリアの底知れぬエネルギーを抱えてこそロシアという国は成り立っているのだ。「住所はツンドラ」と表記するトナカイ遊牧民。今も活躍するシャーマンたち。シベリア各地に広がるイスラム教徒や仏教徒、そして各宗教の寺院をはしごする住民たち。何百年も周囲との関わりを絶った旧教徒の村や道なきドイツ人たちの集落。シベリア最深部に根を張り、たしかに今を生きているあまりに多様で自由、豊かで柔軟、そして強靱な人びとを訪ね歩いた政治学者の稀有な記録。

目次

序章 「神のやどる地」の伝説
第1章 「神の村」へ―アバラーク村の奇跡
第2章 イスラム教徒の村を訪ねて―シベリア・タタール人とイスラム過激派
第3章 極北の遊牧民を訪ねて―ネネツ人を呑みこむ大国ロシア
第4章 辺境の村を訪ねて―トゥヴァー人の幸福
第5章 閉ざされた山岳地帯の村を訪ねて―ロシア人旧教徒の伝統生活
第6章 密林地帯の流浪民を訪ねて―ゴレーンドル人の充足
終章 「第二のエルサレム」へ―コスモポリタニズムと多様性のシベリア

著者等紹介

中村逸郎[ナカムライツロウ]
1956年生れ。学習院大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学。83‐85年モスクワ大学留学。88‐90年ソ連科学アカデミー留学。島根県立大学助教授を経て、筑波大学人文社会系教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tadashi_N

28
シベリアでは、ロシア人も少数民族。国家の縛りに囚われずに生きている。2017/06/06

かんがく

13
ロシアというとモスクワなどのヨーロッパ側か、ウラジオストクなどの極東を思い浮かべることが多いが、その国土のほとんどはシベリアが占める。ロシア研究者である著者が、アジア系ムスリムのタタール人や、トナカイを連れた遊牧民など様々な民族が住む地域を訪れる紀行文で、知らなかったロシアの一面をたくさん知ることが出来て良かった。写真も多く、人々との丁寧な交流を行う著者の姿勢にも好感が持てる。遊牧民のいる雪原にヘリコプターで来訪し、プーチンへの投票を呼び掛ける役人の話が印象的。2019/01/29

Tenouji

12
「光景は変化に乏しく、目にとまるものはかぎられており、視界は地平線の彼方までまっすぐ延びる。この絶景は人間の感性を攪拌する危険性を忍ばせている。「こちら」の現実と「向こう」の想像のあいだの境界線が薄くなり、先住民族の神秘的な精髄が主人公を震わせ、揺さぶる。ドストエフスキーの作品は、はるかな「向こう」の時空を内面に取り込み、ことばで紡ぎ出した。わたしも「向こう」へ、シベリア極北へ旅立つことにする。」2017/03/31

kawa

10
シベリアの奥地には、私たちの価値観と全く異なる人々が生活している。彼らは語る。「読書は自由のための最も偉大な営為」、「ツンドラとトナカイは、ぼくの人生のすべてです。」、「わたしに国家など必要ありませんし、イメージできません。国家とは何ですか。」自然の中で暮らす彼らは、物質的豊かさから最も遠い。なのにある地域の若者の幸福度は92%だという。 そういう生き方をしている人々がこの地球にいることを知るだけでも収穫。2016/06/26

Wataru Hoshii

7
NHKラジオのロシア語講座テキストに掲載されている著者の連載を読み、購入。シベリアの辺境には、想像もできないような暮らしを送る様々な民族がいる。厳しい自然に囲まれ、土地にへばりつくように、貧しく、しかし精神的には満たされている人々。個人的にはトゥヴァ共和国の奥地にある古儀式派の村で、現代と隔絶して暮らす人々の姿が強烈に印象に残った。19世紀のロシアの農村がタイムカプセルになったような…しかしながら、現在ロシアというときに想像するイメージは、シベリアとなんと違うことか。宗教も複雑。シベリアはシベリアなのだ。2020/01/21

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