内容説明
気がつけばハトはいつでもどこでも、首を振って歩いている。あの動きは何なのか。なぜ、1歩に1回なのか。なぜ、ハトは振るのにカモは振らないのか…?冗談のようで奥が深い首振りの謎に徹底的に迫る、世界初の首振り本。おなじみの鳥たちのほか、同じ二足歩行の恐竜やヒトまで登場。生きものたちの動きの妙を、心ゆくまで味わう。
目次
1 動くことは生きること(動くとは、どういうことか;死なないために動く ほか)
2 ヒトが歩く、鳥が歩く(鳥とヒトの二足歩行;歩くことと走ること ほか)
3 ハトはなぜ首を振るのか?(首振りに心奪われた人々;頭を静止させる鳥たち ほか)
4 カモはなぜ首を振らないのか?(体のつくりがちがう?;まわりが見えてないカモ? ほか)
5 首を振らずにどこを振る(ホッピング時に首は振るの?;首を振らないチドリの採食 ほか)
著者等紹介
藤田祐樹[フジタマサキ]
1974年生まれ。2003年に東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了(理学博士)。同大学院農学生命科学研究科の非常勤研究員を経て、2007年より沖縄県立博物館・美術館の人類学担当学芸員として勤務。近ごろは洞窟遺跡の発掘に汗を流す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
47
ハトの首振りをメインテーマに、鳥の歩行やホッピング(両脚をそろえて跳ねる動作)、同じ二足歩行のヒトや恐竜の動きまで真面目に考察した笑える科学本。ノリとしては空想科学読本の柳田理科雄氏と同じ雰囲気があります。詳細なデータを用いて解析しながら決して難解にならず、ウィットに富んだ語り口が楽しくて全く退屈しません。「ペンギンが立つ姿はヒトとあまりに似ているため、山手線ホームにペンギンが並んでいても誰も気づかない」って、そんなはずはない(笑)。骨格図を見ると、ペンギンは「しゃがんでいる」のが驚きです(笑)。2017/01/05
トムトム
25
もっと色々書いても面白かったでしょうに。移動中に視界を固定するため。近くを見るときと遠くを見るときで違う。早歩きと普通歩きやゆっくり歩きでも違う。以上!?2022/10/27
ひさしぶり
21
そもそも鳥の飛ぶ以外の特性の本というのがイイ。陸上脊椎動物で4本足でなく2足歩行をするのはヒトと鳥だけ、というフリからのめり込んでしまう。視軸が横でブレ軽減で12,3個の首の骨で調整、歩行の安定性、採食行動。結論だけ見ちゃうと何だよ!だけど探究心がそそられる。子どもに学ぶ姿勢を教えるのに役に立そう。読み終わった後なぜか自身の骨格を意識してしまい動作がぎこちなくなってしまった。2022/05/15
宇宙猫
21
★★★★★ 思ったより専門的な内容だったけど、読み易くて面白かった。生き残れるように進化したのか、たまたまそうなったから生き残れたのか、とても知りたい。2017/11/03
いちろく
19
三浦しをんさんの書評で気になっていた1冊。ハトが首を振って歩くのにも、根拠があったのです!ただ、著者が一番伝えたかった事は、ラスト3行に集約されていると思う。それを伝える為に、著者自身の研究を例に挙げながら、最後まで導かれた様な気がします。今読んでも面白い1冊でしたが、もっと若い時に出会いたかった1冊。余談ですが、昨日鳩を見かけた時に、首の動きに注目したのは言うまでもない。2015/09/05