岩波科学ライブラリー<br> 協力と罰の生物学

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岩波科学ライブラリー
協力と罰の生物学

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  • サイズ B6判/ページ数 119,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000296267
  • NDC分類 468.4
  • Cコード C0345

出版社内容情報

排水溝のヌルヌルにアリのコロニー、花と昆虫、そしてヒトの助け合い。この世界はうるわしき協力であふれている。容赦ない生存競争の中で、生きものたちはなぜ自己犠牲的になれるのか。ダーウィン以来、この謎に果敢に挑んできた研究者たちの軌跡と、協力の裏に見え隠れする、ちょっと怖い「罰」の世界を生き生きと描く。

内容説明

排水溝のヌメリから花と昆虫、そしてヒトの助け合いまで。この世界はうるわしき協力の姿であふれている。容赦ない生存競争の中で、生きものたちはなぜ自己犠牲的になれるのか。ダーウィン以来、この謎に果敢に挑んできた研究者たちの軌跡と、協力の裏に見え隠れする、ちょっと怖い「罰」の世界を生き生きと描く。

目次

1 仲良きことは美しきかな―自然界にあふれる協力のすがた
2 ダーウィンの困惑―なぜ「ずるいやつら」ははびこらないか
3 協力の進化を説明せよ!―男たちの挑戦
4 罰のチカラ―自然界には罰がいっぱい
5 ヒトはけっこう罰が好き?

著者等紹介

大槻久[オオツキヒサシ]
1979年福島県生まれ。2006年九州大学大学院理学府生物科学専攻修了(理学博士)。ハーバード大学Program for Evolutionary Dynamicsポストドクトラルフェロー、科学技術振興機構さきがけ「生命現象の革新モデルと展開」専任研究者を経て、総合研究大学院大学先導科学研究科助教。専門は数理生物学。協力の進化理論をはじめ、進化ゲーム理論、人間行動進化学の研究に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおた

20
生物がいかに共生しつつ、ルールからはみ出すと罰を受けるかについて実験に基づいて、堅いタイトルとは裏腹に分かりやすく解説。序盤は動植物、さらには粘菌の話なんで協力と罰の関係性がシンプルだけど、こと人間の話になると囚人のジレンマや利他的な罰、さらには罰は人間の脳に快感を与えるというところまで複雑になる。昆虫くらいの社会性があれば異分子に罰を与える理屈は納得できるけど、粘菌でさえもちがう遺伝子を持っていると罰を与える仕組みがあるのに驚き。シンプルだけど強いルールに縛られる世界が垣間見えて読んで損はない一冊。2018/11/07

しんい

14
「知性」「知能」の有無にかかわらず、生物は罰をあたえることで協力関係を作る出すことがあることがよくわかる。脳が明らかにない粘菌同士でも罰を与えることがあると。私も「考えて」行動していると思いこんでいるが、実はそれは思い込みであって、粘菌と同様に仕組みで動いてるだけかもしれない・・・とも考えさせられる。だけどそれで価値がないということではなく、仕組みで生み出されたことであっても、知能が考えたことであっても、結果で判断すれば良いのかな。2023/09/25

手押し戦車

14
協力すると中にサボるフリーライダーが生まれ他人に物事を押し付ける行為が発生する。その様なのがいるから罰が存在する。生物の利益とは子孫の数が重要になるが組織として働くと実際に働くのが8割で残り2割が怠けて、サボってる2割を省いても今度は働いていた方の中で2割が怠け出す。人は、自分が他人を罰することに快感を覚えるが、他人が他人を罰する様子を見ても評価しない。罰の力とは一時的に行動を抑えるだけで後からもっと酷くなる。神経経済学でも人は明日の1万より今日の千円を選ぶ。頭では分かってるけど実際はそれ位、忍耐が弱い。2014/07/23

bapaksejahtera

12
異種からなる細菌が集合し共同してヌメリ物質を作って互恵的利用をする例、単細胞生物の粘菌が集合するのみならず機能分担して多細胞様に振る舞う例等から始まり動物や昆虫の集団行動、クマノミとイソギンチャクその他異種共生の様々を説く。その上で以上を機能させる為に取られる懲罰活動が提示される。不活性な根粒菌への酸素の提供制限等が面白い。更にこうした動きがどのようにして遺伝子進化に繋がるかに記述は及び、次いでヒトの進化と社会脳発達仮説が提示される。現代人とは言え文化によるフレはあるが、いかに報酬と懲罰が機能するかを知る2022/10/05

irom

10
後半の、罰についての部分が興味深かった。ヒトと罰について、もっと色々読んでみたい。2019/04/07

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