岩波科学ライブラリー<br> 医学と仮説―原因と結果の科学を考える

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岩波科学ライブラリー
医学と仮説―原因と結果の科学を考える

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  • サイズ B6判/ページ数 118,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000295840
  • NDC分類 498.6
  • Cコード C0347

出版社内容情報

なぜタバコやピロリ菌が発がん物質と言えるのか.目に見えない因果関係はどのように証明されるのか.公害事件で医学者の言動を問うてきた著者が,水俣病・タミフル・放射能など具体例を通して,「実験によるメカニズムの検証」という一見すると妥当な考え方に潜む問題点をつく.原因と結果を結ぶ科学の言葉がわかりやすく解説される.

内容説明

なぜタバコやピロリ菌が発がん物質と言えるのか。放射線被曝と、その後に発症したがんとの因果関係はどのように証明されるのか。公害事件で医学者の言動に潜む非科学性を問うてきた著者が、水俣病・タミフル・放射能など具体例を通して、「実験によるメカニズムの解明こそ科学」という一見すると妥当な考え方の問題点を示す。

目次

1 科学の証明―因果は医者にも見えないので間違える(約五〇〇〇人を対象とした発がん研究;国際がん研究機関IARC ほか)
2 科学と実験―因果はDNAまで見ないと分からないか(自然科学と科学の目的;科学の基本用語 ほか)
3 科学と社会―因果推論の遅れがもたらす問題(日本で実際に起こった要素還元主義に基づく失敗例;森永ヒ素ミルク中毒事件 ほか)
4 科学と哲学―因果はなぜ見えないか(因果関係は難しいのか?;ヒュームは原因を定義した ほか)
5 科学と仮説―因果を整理する(非巡回有向グラフDAGを描く;交絡要因と別ルート ほか)

著者等紹介

津田敏秀[ツダトシヒデ]
1958年生まれ。岡山大学医学部医学科卒業。岡山大学医学部医学研究科修了。岡山大学医学部助手、講師などを経て、岡山大学大学院環境学研究科教授。専攻:疫学、環境医学、因果推論、臨床疫学、食品保健、産業保健(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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zoe

27
疫学研究は世界的には直接的な証明がなされていると考えるが、日本はそうではないらしい。過去にあった事件を振り返ると、粉ミルクも魚も、そこに原因があることは分ってはいたのだ。だが、そこにヒ素が入っているとか水銀が入っているのだという確証がなかった。さらに踏み込んだ確証が得られないことに粉ミルクや魚が原因であるということに慎重になるのが科学者の立場であった。粉ミルクや魚が原因であることは分っていたのだ。2019/08/09

calaf

9
原因と結果は見えない/聞こえない/臭わない/味がしない/感じない。もちろん第六感など出してこようものなら科学的態度を疑われる。だから難しい?そう、そのために統計学があり、因果関係を推論することが出来るようになっている...という感じの主張かな?2011/11/24

しろくまZ

7
題名は「医学と仮説」だが、医学だけにとどまらない科学論全般について述べられている。原因と結果、因果関係、因果推論、メカニズム論、要素還元主義、ヒュームの問題、DAG等々。また、森永ヒ素ミルク事件、水俣病事件など、見当違いな要素還元主義的な手法を適用をした場合の失敗例も示している。医学に限らず自然科学や工学などにおいて厳密な意味で因果関係の「証明」など出来ない。「検証」を様々な形で繰り返し、疑いの余地が無いほど蓋然性が高いと確認できるだけ。その意味では「統計学は科学の文法である」という言葉に説得力を感じる。2015/05/05

yu01

4
原因結果の解明にはメカニズムの解明が前提とい常識の誤りと、その弊害について。今の法律では食中毒が起きても行政の調査は義務付けられていないこともあり、まだメカニズムの解明ができていないから原因の規制や強制調査ができない、という言説が成り立ち弊害を生んでいるらしい。森永ヒ素、水俣病、タバコ、O157、など。水俣病とタバコにいたっては、その常識を盾に意図的に規制を遅らせているものだからタチが悪い…!では常識が訂正されない理由はというと、筆者は医学者の科学常識の無知を挙げている。本当に??2012/05/26

yuyu_de_gozaru

4
因果関係とはどう捉えるものなのか,ということに関する読み物.読み物とは言っても,わりかし突っ込んだ話なので,科学哲学的に因果関係をどう捉えるべきについての話や,因果関係の捉え方が問題で食中毒諸々の社会問題が未解決化しちゃってる話が織り込まれていて,期待以上に勉強になった.ほとんどが医学研究の事例での考察だけど,自分の研究を見直す良いきっかけになった.2011/11/01

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