出版社内容情報
幕末の榎本武揚は知られざる地質学勃興の祖であった。その後、濃尾大地震、関東大震災の惨禍を超えて興った地震学からプレートテクトニクス誕生を経て地球惑星科学に至る発展史を、東日本大震災後のいま、改めて振り返る。150年にわたる日本の地球科学発展に貢献した開拓者24名の苦闘の歴史と未来を描き出す。
内容説明
地球科学とは地球を対象とする学問分野の総称であり、地質学・地球物理学・地球化学の三本柱からなる。日本における地球科学の誕生は幕末まで遡る。榎本武揚は幕末に地質調査ができた稀有の人物であり、知られざる地質学勃興の祖であった。その後、明治・大正時代の濃尾大地震、関東大震災の惨禍を超えて地質学と地震学が興り、さらに地球の謎を深く究めた充実期、プレートテクトニクス誕生を経て地球惑星科学に発展する。幕末から現在までの一五〇年の発展史を、東日本大震災後のいま、改めて振り返る。
目次
第1部 大地震の惨禍を超えて―揺籃期(地球科学の産声―幕末・明治初頭;濃尾大地震と三人の地球科学者;震災予防調査会;関東大震災の衝撃)
第2部 地球の謎を深く究めて―充実期(深発地震の研究;古地磁気学の研究;物理化学的な岩石成因論の展開;地球化学の展開)
第3部 地球科学の巨きな流れを創って―発展期(島弧形成論の展開とマグマ学の創立;東日本大震災を超えて)
著者等紹介
諏訪兼位[スワカネノリ]
1928年鹿児島市生まれ。東京大学理学部地質学科卒業。名古屋大学理学部地球科学教室教授、名古屋大学理学部長、日本福祉大学学長を経て、名古屋大学・日本福祉大学名誉教授。日本アフリカ学会元会長。日本地質学会賞、渡邊萬次郎賞(日本岩石鉱物鉱床学会)、朝日歌壇賞(2回)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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禿童子
030314