出版社内容情報
終戦直後の東北を舞台に、田舎回りの奇術師夫婦と弟子になった孤児の少年が繰り広げる笑いと涙の人情物語「月なきみそらの天坊一座」。オーストラリアの収容所に抑留された男の運命を綴る「黄色い鼠」。浅草のストリップ小屋で奮闘する役者の生きざまを描く連作「喜劇役者たち」。1977年に雑誌連載された3作品を収録。
内容説明
一九七七年に並行して雑誌連載された三作品を収録。
感想・レビュー
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ちゃま坊
13
「黄色い鼠」戦時中オーストラリアの日本人収容所からの脱出劇。ここの収容所はソ連やアメリカのものとはだいぶ違っている。金網も哨戒塔もなく重労働もない。規則はとてもゆるい。何も逃げ出すこともなかったんじゃないか。追跡者の襲撃と、迷い込んだ砂漠で多くの仲間の命がなくなっている。同行したアボリジニの老人から、生き残るための知恵を学んだことは大きかった。2022/06/20
