出版社内容情報
グローバリゼーションにより,大学は近年,従来の教育・研究活動,また社会との関係についての再考を迫られるようになった.世界中で進む学生の国境を越えた移動と大学教育の輸出入の拡大,就職市場のグローバル化,知と大学の関係の変化,英語教育の新展開,デジタルメディアの影響――.激変する環境への対応と模索を論じる.
内容説明
グローバリゼーションにより、大学は近年、従来の教育・研究活動、また社会との関係について再考を迫られるようになった。学生の国境を越えた移動と大学教育の輸出入の拡大、就職市場のグローバル化、知と大学の関係の変化、外国語教育の新たな展開、デジタルメディアの影響等、激変する環境への大学の対応と模索を論じる。
目次
序論 大学を取り巻くグローバリゼーションと未来
1 グローバリゼーションと大学
2 日本の大学とグローバリゼーション
3 知の分断化と大学の役割
4 グローバル化による競争環境の変化と求められる人材
5 グローバリゼーションのなかの英語教育―国際共通語としての英語をどう考えるか
6 デジタル・メディアによる大学の変容または死滅
著者等紹介
吉田文[ヨシダアヤ]
1957年生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。教育社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山がち
1
基本的には既存の大学論を踏襲しているが、ところどころ新しい知見が見出されて興味深い。松繁によるグローバリゼーションへの文系教育の重要性の紹介、産業的要請や学生のニーズに対応することによる教育と研究の分離による大学の解体、日本語の価値が低下することによる留学生の減少の可能性、国内における多言語の必要性、TOIECは日本が発注している検定であること、EUが言語を尊重する教育をしてきたことを背景にノーベル平和賞を受賞したこと、ビジネス志向の英語はそもそも大学教育の目標とたりえるかなどが特に興味深い話題であった。2013/10/08