岩波人文書セレクション
時間についての十二章―哲学における時間の問題

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  • サイズ B6判/ページ数 301p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000285063
  • NDC分類 112
  • Cコード C0310

出版社内容情報

さまざまな相貌をおびて我々の存在を拘束している「時間」。物理学者の「時間」、哲学者の「時間」があり、そして、生活し労働する者の「時間」がある。産業化にささえられた現代人にとっての「時間」とはいったいなんだろうか。山里の自然からのまなざしによって現代文明に再考をうながし続けてきた、哲学者のエッセイ。

内容説明

さまざまな相貌をおびて我々の存在を拘束している「時間」。物理学者の「時間」、哲学者の「時間」があり、そして、生活し労働する者の「時間」がある。産業化にささえられた現代人にとっての「時間」とはいったいなんだろうか。山里の自然からのまなざしによって現代文明に再考をうながし続けてきた、哲学者のエッセイ。

目次

第1章 川の時間
第2章 山里の時間
第3章 森の時間
第4章 森林経営の時間
第5章 関係的時間と客観的時間
第6章 「使用価値」とその時間
第7章 商品の時間
第8章 近代的市民とその時間
第9章 不均等な時間
第10章 近代社会の時間
第11章 非構造の時間
第12章 さまざまな時間

著者等紹介

内山節[ウチヤマタカシ]
1950年生まれ。哲学者。立教大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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himawari

8
主観的な感じが多く、あまり腑に落ちなかったが、これが時間の哲学なのか。田舎で流れる時間と都会の時間の違いは何となく理解できた。しかし都会でも正月から始まり、バレンタインデー、ゴールデンウィークなど、畑をしていなくても毎年同じ輪を描くようなサイクルを送っているではないか。そして医者や弁護士、定年の無い自営業の人なども沢山いるではないかと思ってしまうのは、私がひねくれているからなのか。超高齢社会を迎える日本、これからは時間やお金の価値観を見直し、高齢でも役割を持てる、生涯現役的な社会作りが必要なのだと感じた。2016/11/02

cybermiso

6
何故田舎暮らしに憧れるか分かったような気がする。現代の縦軸の時間と山里に流れる横軸・円環の時間の違いにははっとさせられた。横軸の関係性の時間の中では時間の流れ方は一様ではなく過去はまた繰り返される。逆に縦軸の時間は過去は戻ってこない。自然との関係性を断ち切り、時間も計測・管理可能な客観的な物とすることで、時間を合理的に経営する事を迫られる。時間は個人個人のものとなった結果、疎外が生まれるといった主張には納得した。縦軸時間の息苦しさを感じたときに横軸の時間をヒントとしたいと感じる。2015/05/12

rymuka

4
ある村の人々に「農業は儲からない。規格に合う野菜だけ、段ボールに詰めて出荷するから」と言わしめる農政の下では、村民の農産業力や時間を評価する尺度は、既に見失われている。読書録あり → http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-76.html2019/11/17

Chie Azuma

3
伝統的な昔の山村と近代化社会の間を行き来する筆者が、それぞれの"時間"の違いについて考察している。導入部分を読む限りではただの自然礼賛主義なのかと退屈していた。しかし日本の農村山村の形態がどのようにして崩壊していったのかを、二つの形態が異なる時間を軸にして考察した辺りから面白くなり、一気に読んでしまった。二言目には「効率」と言ってしまう今の私の在り方に疑問を持った。哲学に関しての知識はほぼ無いし一部何を言っているのかわからなかったが、大変興味深く読むことができた。2017/09/24

葡萄

2
 ぼんやりではあるが、自分の中にあるのに見えていないものが見えてきた気がする。 この本の効果は、時間や価値を理解するというより、自分の時間の基準が決まるところである。2016/10/09

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