ヒューマニティーズ<br> 政治学

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ヒューマニティーズ
政治学

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  • サイズ B6判/ページ数 112p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000283281
  • NDC分類 311
  • Cコード C0300

出版社内容情報

私たちが「政治」と言うとき、イメージされているものとは何か。どういうものを念頭におくかで、その姿は変わってしまう。日常生活の視点から出発し、さまざまな「政治」の現象を貫く糸をたぐりよせ、その内実を解き明かす。

内容説明

私たちが「政治」と言うとき、イメージされているものとは何か。権力者の裏取引、市民の参加活動、見えない抑圧、華やかな外交交渉―そのいずれもが「政治」ではあるが、何を念頭におくかで、その姿は変わってしまう。政治が生まれてくる初発の風景、日常生活の視点から出発して、さまざまな「政治」の現象を貫く糸をたぐりよせ、その内実を解き明かす。

目次

1 日常性と政治―政治学は「役に立つ」のか(アニマル・ファーム再訪;日常のなかの権力―N・Nの例;大政治と小政治)
2 政治の空間―政治学のこれまで(「堕落」と「礼儀」;政治の原像と都市;「日本」そして「現代」)
3 権力と自由―政治学のこれから(サイゴンの司馬遼太郎;自由の根源にあるもの;権力と自由)
4 政治的リアリズムとは何か―戦後日本の論争から(政治と演技;偽善のすすめ;政治の技術と嘘)
5 政治学を学ぶために―読んでおきたい本

著者等紹介

苅部直[カルベタダシ]
1965年生。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。現在、東京大学法学部教授。著書に『丸山眞男―リベラリストの肖像』(岩波新書、2006年、サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Haruka Fukuhara

7
面目躍如。色々な人を引用しつつ自分の考えをしっかりと述べていて好印象。福田と丸山の論争への言及が詳細で印象深かったけど、やはり丸山に甘いように見えてしまう。福田の行きつく先が自主武装であり、それは近隣諸国との協調をかなぐり捨てた欲望に忠実な在り方でしかないとするが、自主武装がなぜ近隣諸国と協調できないと考えるのか、世界のほとんどの国が自主武装していることと噛み合わない。日本以外の全ての国が平和主義の日本より劣るあり方だと言い切るのであれば別だが。先任の丸山への配慮なら仕方ないが、本気だとしたら薄ら寒い。2017/03/02

takizawa

7
ジョージ・オーウェル『1984』や坂口安吾『堕落論』を取っ掛かりにした,政治とは何かを考えるための道案内の書。政治学上の論争を駆け足で追いつつ,「異なる考えをもつ主体どうしが,おたがいに異なることを見きわめた上で,それでも共に生きようとして交渉と妥協をくりかえすこと」を政治と定義する(p.77)。そのうえで私たちがどのように政治と関わっていくべきかを論じる。特定の政策が絶対に正しいと信じるのは愚の骨頂。寧ろ偽善や演技を鑑賞する余裕を持つべき,と実に成熟した結論に落ち着いているのが印象的。2012/06/02

ステビア

4
苅部先生らしい一冊。2014/01/12

denz

4
高校生が大学の政治学を学ぶための準備として書かれた100頁ほどのものだが、それ以上の内容。主に戦後日本の「政治」をテーマに、過度に政治に期待するのではなく、「われわれ」が少しづつ実現する過程を政治とする。地味で魅力的ではない政治というものを、「悪さ加減」の選択と割りきって、のめり込まずに、また無関心でもなく、見て参加していくことのススメ。佐々木毅『政治の精神』とともに、即効性はなくとも、政治の何かを考えるヒントがわかるかもしれない一冊。2012/10/26

えぬもり

3
読んでいるあいだの釈然としない感はあったけれど、政治のオーソドックスを地で行く内容だったように思う。(どこからか左翼的だと聞こえてきそうだが) 様々な参考文献を用いて、政治学を表現していることに価値を感じる。読みやすい。2018/05/22

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