書物誕生 あたらしい古典入門
朱子―“はたらき”と“つとめ”の哲学

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  • サイズ B6判/ページ数 191p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000282871
  • NDC分類 125.4
  • Cコード C0310

内容説明

朱子学は封建的な大義名分論としてイメージされるが、「朱熹」その人は実は朱子学者ではない。本書は、南宋という時代を生きた朱熹という一人の人物の生涯をたどり、そこに交錯する歴史の現場に立ち会いつつその思考の核心を捉える、新たな「読み」の実践である。職・理・事・命・性などの重要語をめぐる朱熹の注解に肉薄するとき、彼が鋭敏な眼で現実を見据え、時代の課題に向き合い、生涯を賭けて彫琢した哲学的ヴィジョンが姿を現す。

目次

第1部 書物の旅路―朱熹、その生と思索の現場から(朱熹の生涯;朱熹の生きた時代;「職」と「理」)
第2部 作品世界を読む―『四書集注』に見る哲学的ヴィジョン(「天命之謂性」の注解を読む―『中庸章句』より;「明明徳」の注解を読む―『大学章句』より(1)
「格物」の注解を読む―『大学章句』より(2))

著者等紹介

木下鉄矢[キノシタテツヤ]
1950年、兵庫県生まれ。1979年、京都大学大学院文学研究科博士課程(中国哲学史)単位取得退学。現在、総合地球環境学研究所教授。専門は中国思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

32
朱子学の始祖である朱熹とその代表的著作の四書集注について書かれています。趣旨については著者が前書きで触れている通り、丸山真男の「日本政治思想史研究」と司馬遼太郎が「この国のかたち」で述べている考え方が大方のにひん人の趣旨に対する基本となっていると喝破しています。まさにその通りで、この本を読むと違ったイメージが出てきます。2014/10/31

きさらぎ

5
多分半分も理解出来ていないが、著者の朱熹への愛情がいい。著者は朱熹の生きた南宋時代の経済を、所有を基礎とした秩序から信用秩序が現れつつある時代とみる。朱熹の社倉法、そしてその思想は、契約や約束事、守られるべきもの「あるべき姿」への信用と信頼、予見、そしてそれに対する誠実さが、貧富や立場を問わない「あらゆる人」に備わっているという確信に根ざしている。また、そうさせる「何ものか」の存在を信じることの上に成り立っている。アダム・スミスの道徳論と経済論などつい連想してしまう。人を真っ直ぐに信じる朱熹の姿が愛しい。2016/07/14

wiwi

0
前半の概論部分と後半の古典の注解に分かれるが後半は普段馴染みのない概念が多かったこともありちゃんと理解できなかったし、急いで読むものでもないなと思った。二週目はじっくりまとめながら読んでいきたい。国はパーソナルかパブリックなのかなど概論部分は作者の考え方が色濃く出ていたが後半部分の注解の解説にはそこまで前半部分の考え方が出てない気もした。古典を解説するとはそういうものかと思ったが若干違和感が残った。その意味でも二週目をじっくりまとめながら読みたい。2017/08/24

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