出版社内容情報
改革開放以後、学歴間格差が拡がっている。欧米型の学問への人気が高まる一方で農村での初等教育は立ち遅れている。科挙制度から中華民国期の教育普及政策、文革の混乱などを通して、教育と不平等の歴史的相関関係を読み解く。
内容説明
現代中国では、日本と違って都市と農村の間で教育機会をめぐるすさまじい格差がみられます。なぜ学校成績至上主義が強く、学歴社会化が急速に進行し、進学競争が激烈なのでしょうか?学生の留学熱・頭脳流出・留学生の帰国熱などの現象をどう見るか?教育をめぐるさまざまな格差・不平等の実態を、都市と農村の教育現場と統計調査から明らかにし、この百年の間に格差・不平等克服のためのどのような取り組みがあったのか、それがどのような事態をもたらして今日に到っているのかを明らかにします。
目次
第1章 学歴社会への前奏曲―清末における科挙制度と近代教育の出会い
第2章 教育の大衆化という夢―民国期における教育改革の試み
第3章 格差なき教育を求めて―社会主義体制下の教育制度
第4章 学歴社会の誕生―改革開放がもたらした「伝統回帰」
第5章 海帰・海待―海外留学の光と影
第6章 改革開放の三〇年―教育の中の「中国的問題群」
おわりに―教育は不平等を克服できるか
著者等紹介
園田茂人[ソノダシゲト]
1961年、秋田県生まれ。東京大学大学院情報学環/東洋文化研究所教授。比較社会学、中国社会論
新保敦子[シンボアツコ]
1956年、石川県生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。中国教育史、少数民族教育研究、中国イスラーム研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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