内容説明
25年間に延べ18人もの首相が目まぐるしく交代した平成期の日本政治。どこでどう間違えたのか。政治記者歴32年の著者が、政治家たちの肉声を記録した膨大なメモや取材記録を駆使して、徹底検証するシリーズ。小泉政権が退陣して以降、迷走を続ける自民党政権を倒して、ついに政権交代を果たした民主党。だが、普天間問題で鳩山内閣がつまずき、次第に党内対立が激化する。東日本大震災が甚大な被害をもたらすなか、小沢一郎対菅直人・野田佳彦という構図に、自民党も介入して繰り広げられた権力闘争の結末は。政界ノンフィクションの金字塔がここに完成。
目次
第14章 年金と失言に沈んだお友だち政権―第一次安倍晋三内閣
第15章 「大連立」に賭けた救援政権―福田康夫内閣
第16章 勝機逃した追い込まれ政権―麻生太郎内閣
第17章 普天間で自壊した政権交代政権―鳩山由紀夫内閣
第18章 東日本大震災に遭遇した孤高政権―菅直人内閣
第19章 消費税に燃え尽きた最後の民主党政権―野田佳彦内閣
著者等紹介
後藤謙次[ゴトウケンジ]
1949年生まれ。1973年早稲田大学法学部卒業。同年共同通信社入社。自民党クラブキャップ、首相官邸クラブキャップ、政治部長、論説副委員長、編集局長を歴任。現在はフリーの政治ジャーナリストとして活躍。共同通信客員論説委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しーふぉ
20
第1次安倍内閣から民主党へ政権交代し第2次安倍内閣成立まで。その後も書き継ぐようですね。ねじれ国会などで何も決められなくなってしまうのも困るし、対抗勢力がないのも弛緩してしまい問題が起こってくるよう。2017/11/18
ぐうぐう
17
『平成政治史』最終巻は、第一次安倍内閣から、民主党政権を経て、第二次安倍内閣誕生までが記されている。このシリーズの素晴らしいところは、比較的近い過去を検証することで、現在政治の混迷の理由を見事に照射していることだ。振り返れば、平成に入って25年の間に、18人もの首相が交代した。異常な事態と言える。全3巻を読了して痛感するのは、平成政治がそれまでと違う形相を呈した最大の理由が、小選挙区制度にあるということだ。(つづく)2015/01/12
かんがく
9
ここ10年の安倍政権から政権交代を経て再び安倍政権への流れ。ニュースなどで見た内容の裏側の動きがわかって面白い。また、民主党政権として括られている鳩山、菅、野田の三人の個性の違いがよくわかった。安倍の復活と菅官房長官の台頭の流れがよくわかる。シリーズ3作を通して常に平成の政界に影響を与えてきたのはやはり小沢一郎なんだなと納得。政争の流れが人物中心で把握できる良いシリーズだった。2017/12/20
Piichan
8
「細川がつき小泉がこねし天下餅すわりしままに食うは安倍」平成時代の政治はこう言い表すことができるかもしれません。クリーンで政権交代可能な政治を目指し導入された小選挙区比例代表並立制が官邸・党執行部独裁につながり、最終的には安倍晋三という日本史上最悪のモンスターを生み出してしまいました。平成時代の政治はそれ専門に研究する学者が現れてもおかしくないほど日本の政治史で重要な位置づけになるのはまちがいないでしょう。2018/01/16
Gamemaker_K
8
いやあ・・・・・・結末がわかっているミステリーを読んでるみたいな読後感、でしたねえ。なんていうかなあ、「お前らもっと仲良くやれよ」だよなあ。2015/05/03