内容説明
相次ぐ政党の離合集散、熾烈な権力闘争の果てに25年間に延べ18人もの首相が目まぐるしく交代した平成期の日本政治。どこでどう間違えたのか。政治記者歴32年の著者が、政治家たちの肉声を記録した膨大なメモや取材記録を駆使して、徹底検証するシリーズ。本巻では竹下登内閣から橋本龍太郎内閣までを扱う。平成元(1989)年、日本は消費税の導入とリクルート事件に揺れた。高まる政治不信は、やがて政治改革の波となって、長く続いた自民党一党支配を終焉させるに至るが…。
目次
第1章 昭和から平成へ―竹下登内閣
第2章 超短命・非派閥領袖政権―宇野宗佑内閣
第3章 内外情勢に翻弄された竹下派「傀儡政権」―海部俊樹内閣
第4章 最後の自民党単独政権―宮澤喜一内閣
第5章 五五年体制に引導―細川護煕内閣
第6章 求心力なき「少数与党政権」―羽田孜内閣
第7章 自民党延命の緊急避難政権―村山富市内閣
第8章 経済危機に散った自民党復活政権―橋本龍太郎内閣
著者等紹介
後藤謙次[ゴトウケンジ]
1949年生まれ。1973年早稲田大学法学部卒業。同年共同通信社入社。自民党クラブキャップ、首相官邸クラブキャップ、政治部長、論説副委員長、編集局長を歴任。現在はフリーの政治ジャーナリストとして活躍。共同通信客員論説委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しーふぉ
23
竹下内閣から橋本内閣までの期間をかなり細かい政界の動きが分かる本です。細川内閣での政権交代や村山内閣での社会党党首の首相など激動の時代。小沢一郎の力に集まり、小沢一郎の手法に嫌気をさして去っていく人々の時代でもあった。2017/10/07
ほうすう
14
竹下内閣から橋本内閣まで平成初期の政治史を描く。良くも悪くも小沢一郎の存在感が大きい。その割になんて人望のない人だろうとも思う。全体的に読みやすくはないのはなんだろうか。ちょっと言葉足らずであったり、時系列が崩れたりするからだろうか。個人的に自分の中でと著者の菅直人の評価がずいぶんと異なるのも興味深い。時代のせいというわけでもなさそうだが…。昔は人気だったのだろうか。2022/12/30
ぐうぐう
14
人が歴史を振り返る行為を欠かさないのには、そこに教訓が隠されているからだ。平成になって以降の日本政治史を記録し、検証する本書も、その目的が大前提としてある。平成が始まって四半世紀に満たない短い歴史の中にも、現在の政治が抱える諸問題の根源が垣間見れる。例えば、平成は竹下政権下での消費税導入で幕を開けたといっても過言ではない。その導入に至るゴタゴタは、野田から第二次安倍政権が消費税増税で直面したゴタゴタを彷彿とさせる。(つづく)2014/05/31
ほうすう
9
再読、気が付けばシリーズの続刊が出ており全五巻構成となっていた。一巻では竹下内閣から橋本内閣までを取り上げる。政治史というより政争史といった趣きで竹下派七奉行の対立がやっぱり読んでいて楽しい。2024/04/11
Piichan
8
「溶ける自民党」というのがこの本を読んだ印象です。盤石に見えていた55年体制が徐々に崩壊し、ついには細川内閣誕生、自民党下野につながりました。その後も自民党の変質は続き、小泉内閣で別物になったと言えるでしょう。2018/02/07