双書哲学塾
自由論

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  • サイズ B6判/ページ数 164p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000281638
  • NDC分類 321.1
  • Cコード C0310

内容説明

自由を論じるには、「自由の秩序」を考えなくてはなりません。自由と秩序は両立する。一定の秩序こそが自由を可能にするのです。でも自由そのものを考えていくと難しい問題が出てきます。また、「リベラリズム」とはどんなことなのか。そして自由と正義はどのように関わるのでしょうか。場外補講では聴講生たちが鋭い質問で迫ります。井上教授危うし!熱血・法哲学講義。

目次

第1日 アルバニアは英国より自由か
第2日 自由の秩序性と両義性
第3日 自由概念の袋小路
第4日 秩序のトゥリアーデ―国家・市場・共同体
第5日 専制のトゥリアーデ―全体主義・資本主義・共同体主義
第6日 自由の秩序の相対性と普遍性
第7日 世界秩序をめぐる討議
場外補講 リベラリズムにおける自由と正義の位置

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大道寺

5
自由とは何かという話は序盤で終わり、その後、現実の問題に即して自由の秩序構想が語られていく。自由とは無秩序のことではなく、動的に移り変わっていく様々な秩序の均衡において自由はある。/私にとって本編と言えるのは「場外補講 リベラリズムにおける自由と正義の位置」だった。リベラリズムは「自由主義」と訳されることがあり、素直に読めば自由がリベラリズムの最も基本的な価値であると思う。しかし著者によれば、「正義こそリベラリズムの根本理念」である。(1/2)2013/06/09

void

4
【★★★☆☆】このシリーズでは異色で、実際の講義ではなく口語文体に硬い用語を多用した半論文を再掲加筆したもの。選書『世界正義論』のほうが読みやすかったのは内容のまとまり具合の差が大きいか。バーリン読みたくなった。 自由概念はそれ自体称揚できるほど積極定義は与えられないし、内的矛盾・ディレンマを抱えている。自由を機能させるには国家・市場・共同体が抑制均衡する秩序のトゥリアーデが必要。秩序が自由の基礎になるようにまた、(基底的)正義が自由に先行し、自由を制約し根拠付けるとする。2013/07/27

takizawa

3
自由を障害の排除と捉える立場からは,自由と秩序(規制)は両立しないかに見える。しかし,規制されることでより多くの自由を享受することが考えられるため(交通規則がないと道路は大混乱…),自由の秩序を論じる意義がある。よく秩序付けられているという意味で自由な社会とは,国家・市場・共同体が相互に補完しあい程良く均衡しているような社会。国家はフォーマルな社会統制と富の再分配を,市場は競争による効率性を,共同体はインフォーマルな社会統制(非難・嘲笑・交際の断絶等)と再分配(互酬実践)をそれぞれ提供する。2010/06/24

じょに

3
理論的な箇所は面白いんだけど、現実的な議論がよく分からん。「国家・市場・共同体」「全体主義・資本主義・共同体主義」を三つ巴式に考えるべきだというのは、なるほどなぁーと。てか登場人物、架空なんかい。どさくさにまぎれて、やり玉に上げられている大屋(笑)2009/02/17

えむ

2
現代日本を代表する法哲学者のひとりによる「自由論」。講義体で書かれているので比較的読みやすかったが、もう少し説明が欲しいと感じられる箇所も少なくなかった。著者の他著作にも進みたい。2018/05/06

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