内容説明
六〇年安保の「革新国民運動」から分岐・叢生した民衆の日常的な社会運動は、今日の市民政治につながるものなのか。さらに、近代日本の政治体制を、西欧の「亜種」ではなく、アジア、アフリカ、中南米に生起した強権体制の「先駆」として比較検討できないか。政治理論家として未踏の課題に挑戦した四〇年の軌跡。
目次
運動の政治学
大衆運動の多様化と変質
「市民社会」とはなにか―戦後日本の市民社会論
強権的統合と大衆運動―三〇年代日本を中心に
メキシコと日本における政治発展―両国の政治力学の相互理解に向けて
社会科学の転回―文明の閉塞状況への対応を求めて
アメリカ近代政治学の基礎概念