感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
抹茶ケーキ
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アメリカ的な資本主義の中で教育制度はどのような機能を果たしてきたか。デューイなどの教育論では教育制度は、1.統合的機能、2.平等主義的機能、3.〔人格的」発達的機能を果たすとされていたが、実際にはこれらの機能は資本主義社会では矛盾する。労働によって自己実現(「人格的発達」)が達成されることは資本主義社会ではありえないからである。しかしこの矛盾はイデオロギー的な操作によって糊塗されてきた。みたいな話が前巻。マルクス主義っぽい。2017/10/18
Toshiyuki S.
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教育を利用し社会的不平等の是正を目指すという「リベラル理論」が、なぜ失敗に終わったのかについて、経済学の観点から分析を展開する本格的な学術書。I巻では教育の社会的機能は人格発達や技能生産に限られるものでなく、経済システムの階級性と密接なかかわりをもち、そのかかわりを見落としていては、社会変革のプログラムとして教育を有効に活用することができないという主張が提示されている。相当に難解だが、教育と社会の結びつきに関する、反常識的な見方を学ぶ上で、きわめて重要な書物だと位置づけることができるだろう。2012/10/15