ポストモダン・ブックス
ラカンとポストフェミニズム

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  • サイズ B6判/ページ数 118p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000270854
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0310

内容説明

ポスト構造主義による安定的な主体の概念の解体は、フェミニズムに何をもたらすのか。われわれが自らの性的位置づけを選びとるに至る無意識の過程をめぐり、ラカンは男女2つの性を対立的なものとして捉えない図式を打ち出した。ファルス中心主義として激しい批判にさらされてきたラカン理論のなかにフェミニズムの進むべき新たな道をさぐる。

著者等紹介

ライト,エリザベス[ライト,エリザベス][Wright,Elizabeth]
元ケンブリッジ大学ガートン・コレッジ特別研究員。精神分析理論による文学研究。2000年6月死去

椎名美智[シイナミチ]
1956年生まれ。ランカスター大学大学院博士課程修了。法政大学教授。言語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まあい

2
流し読み。ラカン「性別化の公式」の分かりやすい解説+メッツ、マルヴィ以降のフェミニズム的精神分析映画批評のざっくりした概略。ラカンにおける「他者」は「別の人や集団のこと」ではない。「他者とは、現実を決定したり、私たちの選択を指図したりするようなものではなく、実現することのない約束を介して構成的な欠如を乗り越える構造である」(p.45)。サルトルにおいて「視線」は主体の側にあるが、後期ラカンにおいて「まなざし」は「他者」の側にある(p.52)。スクリーンは鏡ではない。コプチェクを読みたい。2018/10/22

ask_smmt

1
明晰。性別化の公式や、「性関係は存在しない」といったテーゼがするすると理解できた。問題意識にも共感する(そんなにチクチク言わなくてもいいのに、とは思うけど)。2024/02/28

山本知慧

1
現実界と映画理論辺りは難解で分からなかった。個人的に「性別化の公式」読解が面白かった。フェミニズムにおいて性的差異の基準は重要な問題であるが、フロイトは生物学的な、生殖器による差異ではなく、「ペニス羨望」と「去勢不安」に着目する。それに対してラカンは、発話する主体の立場を存在論的・普遍的命題で表現する。つまり、主体に特定の性は与えられておらず、自らがアイデンティティと妥当した性的構造を無意識的に選択するのである。「絶対的な女性は存在しない」、「性関係はない」というテーゼも、ここから捉えられる。2012/03/24

藤々桃

0
フェミニズムの流れとラカンの仕事をざっくり知るには良い一冊2015/07/06

白義

0
家父長的な思想と読解されがちなラカン理論を改めてフェミニズムの立場から解説、その性別化の公式は肉体的、固定的なものよりむしろ存在論的カテゴリーなのだということによってジェンダー批評にラカンを使う道を探っている。さすがに対象が対象だけあってポストモダンブックスの中でもむずかしめ。解説がその分力作なので、まずはこちらを熟読するだけでもいいかも2012/08/02

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