ポストモダン・ブックス
ハイデガーとナチス

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  • サイズ B6判/ページ数 118p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000270793
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C0310

内容説明

ナチズムを擁護した哲学者ハイデガーのテクストが、いったいなぜ民主主義と社会正義をめざす現代の思想的取り組みに寄与できるのか。ハイデガーの政治理念をめぐるこれまでの議論をふりかえったうえで、デリダによる大胆なハイデガー再読の筋道をたどり、ディコンストラクションが切りひらく新たな読みの戦略に光をあてる。

著者等紹介

コリンズ,ジェフ[コリンズ,ジェフ][Collins,Jeff]
イギリス、プリマス大学講師。美術批評史

大田原真澄[オオタワラマスミ]
1949年生まれ。お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了。一橋大学非常勤講師。アメリカ文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さえきかずひこ

2
考えてみるとハイデガーはヒトラーと同時代人なのだ。そのハイデガーがナチス政権にどのように関わっていったかを解き明かす一冊。といっても、筆者が読者に判断を委ねるのに対して、完全にクロだとして論をすすめる解説(細見和之)が面白かった。2012/01/21

アルゴス

1
薄い100枚ほどの原稿の本。こうした本は、たとえば新幹線で大阪に着くまでに読み終えるもの。だからワンテーマにとぼらざるをえない。しかしワンテーマが「ハイデガーとナチス」というのはあまりに無謀。すっかり腰がひけて、デリダを補助線で使うのがせいやっと。岩波書店のシリーズだけに、「うーむ」とならざるをえない。 ★★2017/11/09

かぎぎ

1
ハイデガーは様々な意味で議論を呼ぶ哲学者である。本作はハイデガーとナチスに焦点を当てていて、彼の思想というものをど真ん中にはおそらく据えてはいない。いずれは「存在と時間」に挑んでみたいとは思うものの、外堀を埋めるどころか、まだ埋めるための土すらかき集められているとはいえず、当分はこういったハイデガーに関する知識を断片的にでも集結させたいと思っている。読んでみると、様々な周辺の知識が自分には欠けていることに気づく。いわゆる「無知の知」なのかな。ハイデガー仲間募集中です♪2016/05/05

うさを

0
ハイデガーがナチを支持したことはもはや疑いえない事実として、コリンズは、そのことをデリダによるハイデガー哲学によって批判する路線を示唆し、解説の細見は、ハイデガーとナチのかかわりがより内在的で核心的であることを示唆する。ハイデガーの誇大とも思える自負に驚き、他者への無感覚さと全体性への強い指向性に戦慄した。コリンズの論をほぼ無視して展開される細見の解説(というか独立した小論だと思う)を読んでいて、柳田民俗学が想起された。2015/07/29

yu

0
この本で一番おもしろかったのは、ハイデガーの政治理念のうちに、現実のナチズムを超える理想のナチズムを構築しようという試みがあり、その試みを党が承認しなかったことがハイデガーが政治的行動から身を引くきっかけになったという話。ハイデガーの理想からすると、党はナチといえるほど十分に急進的ではなかった…という図式に笑ってしまった。2020/05/25

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