ポストモダン・ブックス
エーコとサッカー

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  • サイズ B6判/ページ数 116p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000270731
  • NDC分類 783.47
  • Cコード C0310

出版社内容情報

なぜサッカーはあれほど観衆を熱狂へと駆り立てるのか.サッカーは多様な意味をはらむ文化の記号体系であり,背後には文化産業たるメディアの介在があるのだ.記号学者エーコが文化現象としてのサッカーの解読に挑む.

内容説明

なぜサッカーはあれほどまでに観衆を熱狂へと駆り立てるのか?サッカーは単なるゲームではない。それは、日常世界の多様な意味をさまざまなレベルにわたって読み取らせる、記号論的なゲリラ戦の繰り広げられる場なのだ。「私はサッカーのファンが嫌いだ」と言い切ってはばからないエーコが、サッカーとサッカーをめぐる言説の解読に挑む。

著者等紹介

トリフォナス,ピーター・P.[トリフォナス,ピーターP.][Trifonas,Peter Pericles]
1960年生まれ。トロント大学助教授。倫理学・文化研究

富山太佳夫[トミヤマタカオ]
1947年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。青山学院大学教授。イギリス文学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

_apojun_

4
図書館本。 難しいとは思ってましたよ。でも、一冊くらいはエーコ(について)の本、読んでみたいじゃないですか。 で、タイトルに「サッカー」ってあるから、これならもしかしたら、と思いましたが撃沈しました。 分かったのは「エーコは幼少期サッカーが苦手だった(らしい)」ということくらい。 私には「英子とサッカー」くらいが丁度いい、のだと。 ※「英子」って誰だか知らんけど。2023/10/25

こずえ

2
背伸び読書。エーコのサッカーエッセーを読み解く本。エーコが批判しているサッカーを取り巻くあれこれは、私にとって魅力的な部分。なので元の文章を読みたくなってしまったのですが…ほ、翻訳されてないのかあ…。欧南米の混沌とした歴史と絡み付いているからこそ、サッカーは魅力的な気もします。あるいは「文化の神経症」を誘発するなにかを元から孕んでいるのかも。こうやって結びつけちゃうところが批判対象になるんだな。うん。2014/06/16

ああああ

1
サッカーとはこのような嘘の上に成り立つ記号のひとつなのだ。それは文化にくらいついて、カーニバルを演出し――文化のもつ表象のシステムを勝手なルールに合わせて使って――大真面目にとれる、ときには重大な結果を生む、だまし合いのゲームを演じさせるのだ。P.13 プロのサッカーは「政治についてのパロディ」以外には、社会の更新に役立つことを何も提供しないのだろうか。公けの場で繰り広げられるスポーツをめぐるお喋りは、他の人々とみんなで「民主的な」論争に関与してゆく機会を提供することによって市民の社会的な罪悪感をなだめは2021/07/09

catenaccio711

1
「私はサッカーが嫌いなのではない。サッカーファンが嫌いなのだ」というイタリアの批評家ウンベルト・エーコの、サッカーについての記述を分析する本。サッカーファンにおける言論が、政治における無知でフリーライドな言論と同様に見做すことができる、というのはよくわかる。もっともそこでサッカーの政治介入力を見出して、大きな権力のように語ることは、この日本においては難しいのかなと感じた。野球だとどうか、とは少し考える。エーコの立場(とそれに至る経緯)と、サッカーの社会的位置づけなどが興味深く面白かった。2012/02/22

keepfine

0
W杯がもつ社会的・文化的なインパクトは、選手が見せる優れた運動能力から来るものではなく、1つの国がその力を発揮してその国と国民を少なくとも以降の4年間は世界一だと自慢できるチャンスから来る。ネイマールの足技のような身体能力に魅了されている面もある。しかしそれは副次的であり、あくまで目的は勝利。スタジアムでの勝/敗という「結果」への拘泥と熱狂が、従前のような遊戯の約束事が統御された見世物=サーカスモデルから、サッカーを一気に「世界的狂信愛国主義」の表明される無秩序の劇場へと押し流していった。2017/10/08

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