グーテンベルクの森
進化生物学への道―ドリトル先生から利己的遺伝子へ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 166,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000269896
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0095

内容説明

図鑑とドリトル先生シリーズによって動物の世界に誘われた少女は、生物学研究者の道に進み、いま進化の視点から「人間の本性」に迫ろうとしている。動物好きの少女がここに至るには、『ソロモンの指環』や『利己的な遺伝子』などの本、大学の恩師やチンパンジー研究者グドールなどとの決定的な出会いがあり、その道は悩み多きジグザグのコースをたどった。これは一研究者のドラマティックな成長の記録であるとともに、興味津々たる読書の履歴書でもあり、動物と進化に関する名作・名著への生きいきとしたガイダンスともなっている。

目次

第1章 図鑑たち―未知の自然へのいざない
第2章 『ドリトル先生航海記』―博物学とイギリス流ユーモア
第3章 『ソロモンの指輪』とコンラート・ローレンツ
第4章 『森の隣人』とジェイン・グドール
第5章 利己的遺伝子
第6章 ダーウィン
第7章 科学、人間、文明について

著者等紹介

長谷川眞理子[ハセガワマリコ]
1952年生まれ。1976年東京大学理学部生物学科卒業。1983年東京大学大学院理学系研究科人類学専攻博士課程単位取得退学。東京大学理学部助手、専修大学助教授・教授、早稲田大学政治経済学部教授を経て、総合研究大学院大学教授。理学博士。専門は行動生態学、進化生物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

那由田 忠

4
 面白かったので一気読みをしてしまった。有名な学者なんだけれど、女性としての苦渋に耐えながら頑張ってきたことがよく分かった。内容は半生記だけれど、群淘汰や種の保存理論が根強く残った日本の学会批判や、性選択の難しさをダーウィンは指摘していたけれど、結局人種の違いの説明に入っていく時代的制約の話など、興味深いことが多かった。論理的には同じことが、抽象的なクイズだと解けないけれどルールに関することだと分かる。人間にとって、互恵的利他行動に特化した認知の仕組みがあるはずとのこと。最近の研究を読みたくなった。2013/10/22

くにお

2
「本書は、読書案内のようでものあるが、私の半生記でもある。」とあとがきで著者が語っているように、この本では、著者が子供のころから、研究者になって、大きな影響を与えてきた本を生き生きと魅力的に紹介してくれるとともに、著者の生物学、もしくは科学そのものへの情熱を伝えてくれる一冊である。  大学図書館の教養本コーナーで、「グーテンベルクの森」というタイトルに惹かれて借りて読んでみた。実は進化生物学の入門書を探していたのだが、この本は純粋にその目的にかなう本ではない。しかし、著者の自伝をまじえた本書は、私にとって2009/04/29

つる

1
行動生態学者がどのような本に影響を受けてきたかを語っています。特に6,7章は面白かったです。ダーウィンの時代は人種論、特に創造論が有力でそこからさらに単系説と多系説という二つの説に分かれる、だからこそダーウィンは人種の違いを説明することに拘ったというのは科学者たちもある種文化や社会に拘束されているということの現れなのかなと思いました。学者ということもあり、参照も丁寧でとても好感が持てました。2013/11/06

yoyoyon29

0
・1973ローレンツ(優生主義)らノーベル賞受賞=ミクロ化した分子生物学隆盛の中、個体を扱う動物の行動と進化が一領域として承認➡行動生態学と認知行動科学へ ・グドール:チンパンジー観察眼は鋭いが科学? ・ドーキンス「利己的な遺伝子」:群淘汰でなく個体淘汰 例)子殺し。 ・ダーウィン1859「種の起源」:自然淘汰+性淘汰(雄の選択は武器形質などあり、雌は男女不平等などでなし)。 ・文化の考察:文化は所与だが、個人は文化を選択し生み出せる。ドーキンスのミーム+生態系や社会経済や文化を複雑適応系として捉える。2016/12/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/18138
  • ご注意事項