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グーテンベルクの森
猿飛佐助からハイデガーへ

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  • サイズ B6判/ページ数 216,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000269810
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0095

出版社内容情報

敗戦後,あてもなく小説を読みあさっているうちにドストエフスキーに出会う.その作品を読みふけった末,ハイデガーの『存在と時間』を読まずにはいられなくなり,哲学研究の道へ.その70年に及ぶ読書体験記.

内容説明

敗戦後の荒涼とした歳月、著者はあてもなく小説を読みあさっているうちにドストエフスキーに出会う。その作品を読みふけった末、ハイデガーの『存在と時間』を読まずにはいられなくなり、哲学研究の道へ。その前後七〇年に及ぶ、さまざまな読書体験を一挙公開。

目次

1 『神州天馬侠』
2 「俳文俳句集」
3 「四人共産団」
4 『無常といふ事』
5 『悪霊』
6 『存在と時間』
7 『行動の構造』
8 『アブサロム・アブサロム』
9 『警視庁草紙』

著者等紹介

木田元[キダゲン]
1928年、山形県に生まれる。1953年、東北大学文学部卒業。現在、中央大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よし

4
題が気に入った。筆者70年の読書体験記。戦中戦後の型破りな半生にこれだけの読書はすごい。小林秀雄の無常ということ、罪と罰からドストエフスキーにはまっていった体験は、思わず自分に重ねてしまった。▼ 濃密に流れる時間もあれば気楽に過ぎ去る時間もある。この人間存在の時間性こそが時間の根源的な現象である。▼ 哲学は幾何学で言われる補助線のようなものではないか 。それが引かれることによって、隠された構造が浮かび上がってくる 。 2020/06/03

袖崎いたる

2
木田元の読書と体験を媒介にした精神現象学。戦後の闇市時代にどこでも食っていく自信をつけて、生活の必要から解放されて勉強することの贅沢を身に染み、受験の準備をするくだりなどは揚々たるもの。5日も続けてやれば大抵のことは覚えられるというその独学法には見習いたい含蓄が大きい。修行時代には毎年4〜6月に新しい言語を学び、7〜8月で勉強した言語で書かれた本を1冊やっつけるというやり方。ハイデガーへの想いもすごい。メルロー=ポンティを読んでいてそれまで不可解だったハイデガーの概念がつかめたときのエウレカも感動的。2022/06/20

Ise Tsuyoshi

1
木田元さんの読書遍歴を中心に綴った自叙伝。稀代の哲学者であったことは誰もが知るところだが、その視野の広さや深みに触れることができる。闇屋までやってたんですねえ。読書案内としても秀逸で、この人の筆にかかるとどの本もおもしろそうだ。 その木田さんですら、読み始めから33年かかってようやくハイデガーが理解できたと思えるようになったというのを知り、自分がなかなか理解できないのは当たり前だなあ、と改めて思った。2020/05/30

くにお

0
この前このシリーズの長谷川眞理子氏が書いた『進化生物学への道』が大変おもしろかったので、この本を手にした。  著者は1928年生まれで、青春時代に戦争を経験している。もう80歳にもなる長老で、ハイデガー研究の第一人者である。そのため、前回読んだ『進化生物学』とはずいぶんと風景が違う。  本書では、後半は著者の研究対象であるハイデガーやメルロ・ポンティ、カントやヘーゲルなど、主にドイツの哲学者の本が紹介されているが、前半では、著者が若いころに夢中になった文学作品や、歌人などがとてもたくさん紹介される。  ま2009/05/04

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