出版社内容情報
強固な構築物にも似た知識体系をもつ物理学.一方,複雑多様な自然の成り立ちに関する包括的な見取り図を示す非線形科学.極度に細分化・専門化された科学から,自然を全体的に語る科学の形成への道を探る.
内容説明
強固な建築物にも似た知識体系をもつ物理学。一方、複雑多様な自然の成り立ちに関する包括的な見取り図を示す非線形科学。極度に細分化・専門化された科学を排して、自然を体系的に語る科学―「新しい自然学」―を形成する道をさぐる。これは、自然科学/社会・人文科学を超えた知をめざす試みでもある。
目次
1 科学描写の構造(不均一な物理学;現代の自然学;流動現象について ほか)
2 非線形科学から見る自然(不可逆性、非線形性;非平衡開放系;熱対流 ほか)
3 知の不在と現代(知の過剰と無知;藤沢の所論;「事実と価値」、「物質と生命」、「部分と全体」に関する私見 ほか)
著者等紹介
蔵本由紀[クラモトヨシキ]
1940年生まれ。理論物理学。京都大学大学院理学研究科教授。現代の「科学的な知のありかた」に長らく疑問をいだき、批判者との建設的な議論をもとめてきた
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感想・レビュー
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おおにし
12
言いたいことは何となく分かるのだが、物理学者が説く哲学は私には難解に感じる。非線形科学を扱っているのにほとんど図やグラフが出てこないのもわかりにくくしている要因だと思う。科学的記述で物心二元論(知覚の因果説)を語りたくなる誘惑にかられるが、科学で語りえない世界に踏み込まないこと、そんなようなことが書いてあるが、それなら「新しい自然学」はどのように記述するのかが私には今ひとつ理解できなかった。2015/01/14
ジュール リブレ
8
カオスとは? あんがい身近にあったのね。2011/10/30
さはらかなや
0
巾の広い科学のお話。とても参考になりました。2012/06/07
山一工房
0
示唆に富んでいる。2024/01/04