双書現代の哲学
臨床的理性批判

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  • サイズ B6判/ページ数 203p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000265867
  • NDC分類 115.3
  • Cコード C0310

出版社内容情報

ベッドサイドに立つ哲学.リアルなものから離れて自己完結しようとする体系をしりぞけ,荒々しい現場の手触りの中に働く「理性」を基礎づけようとする.しなやかな合理性の立場の再建に向けた,対話的理性の冒険.

内容説明

人の訴えに耳を澄まし、心身のすべてをあげてその苦痛に寄り添おうとするとき、大文字の普遍的真理や根拠づけられた体系は助けにやってこない。予測できない現実の運動に応え、自らダイナミックに変形しつつ、ある秩序を構想する理性のあり方―超越論的に、対話的に、倫理的に、理性を位置づけようとしたもろもろの試みを参照し、ニーチェの系譜学や発達心理学に発生論的な着想を学びつつ、臨床的理性の哲学をデザインする。固定した外部の視点に拠るのではなく、また価値を問わない情報の相対的な流動に没するのでもない、共同的な哲学の試み。他者に気を配り、想像力を働かせて問題を「発明」し、他を代弁するという不可能な営みを支える「原理ではない原理」とは何か。論理的整合性や基礎づけを求めて自閉するのではなく、対話の網の目につねに自身を開きながら、シンプルにねばりづよく持続する理性の新しいモデルを提案する。

目次

序章
第1章 まとめて考えるということ
第2章 語る相互行為
第3章 C先生の講義―理性、シンプルで息長く
第4章 理性の発明
終章 アテンション・プリーズ!

著者等紹介

中岡成文[ナカオカナリフミ]
1950年生まれ。専攻、哲学・倫理学。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。現在、大阪大学大学院文学研究科教授
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