出版社内容情報
現代の様々な文化体験が凝縮された映画,中でも暗黒映画と称される「記号」をめぐる映画制作と観客による受容の多様な現実=揺らぎを丁寧に紹介.現代文化の様態を陰影豊かに捉え,批判的に考察する,斬新な社会学的知の冒険.
内容説明
第二次大戦前夜から現代までの映画言説を渉猟し、フィルム・ノワール(暗黒映画)という記号の分析を通して現代文化への新たな視点を提示する。映画研究、文化史、現代思想を横断する刺激的な論考。
目次
序章 「いかがわしきもの」の系譜学に向けて
第1章 フィルム・ノワールとハリウッド映画(ジャンルとその生成;映画の文化的卓越化;ノワールという理念の方へ)
第2章 「暗黒映画」の転生―一九三八~一九五五(戦前フランスにおける「暗黒映画」;「アメリカ人もまた「暗黒の」映画を作る」;分身としての暗黒映画)
第3章 ハリウッドの殺人メロドラマ―一九四三~一九四七(殺人メロドラマの流行;殺人メロドラマとハリウッドの再構築;殺人メロドラマの言説)
第4章 フィルム・ノワールと映画文化の転換―一九七〇~一九九七(アメリカにおけるフィルム・ノワール;ポスト=ノワール)
著者等紹介
中村秀之[ナカムラヒデユキ]
1955年生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学科卒業。東京大学文学部社会学専修課程卒業。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、桃山学院大学社会学部助教授。文化社会学、映画学、メディア論
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