出版社内容情報
友愛とは何か.近代フランスにおけるその歴史的・社会的変容を具体的に描き出し,社会的結合と親密性,自我と主体,ジェンダーとセクシュアリティなど現代社会学の基本的課題について考察.近代を新たな視角から問う.
内容説明
個人と社会の境界に位置し両者を媒介する役割を担いながら、対象化して論じることの困難さのためにこれまでじゅうぶん議論を尽くされることのなかった「友愛」。本書は「友愛」をめぐるさまざまな言説を丁寧に分析することを通して、ヴェールに包まれたその歴史的・社会的意味を明らかにする。現代社会学が抱える困難な課題に真正面から取り組んだ、意欲的で挑発的な現代社会論。
目次
1 友愛/反=社会学/反=自我論(留保なき友愛;友愛の言説と〈言説の友愛〉)
2 言説化される友愛とその諸形態(普遍化される友愛―手紙の言説空間;稀少化される友愛―告白の言説空間;凡庸化される友愛―日記の言説空間)
著者等紹介
葛山泰央[カツラヤマヤスオ]
1968年生まれ。東京大学文学部社会学科卒業。同大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、京都大学大学院人間・環境研究科助手。専攻は文化社会学、言説分析。共著に「岩波講座・現代社会学2 自我・主体・アイデンティティ」(’95年)、「社会学になにができるか」(’97年)など
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