出版社内容情報
新しい共生の形の探求-家族や学校に引かれた無数の境界線と,高齢者・身体障害者や在日・定住外国人との間の境を越えて,〈間〉に生きる作法とモラルとは何だろう.「関係」の倫理学の方へ.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
午後
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共生をキーワードに、ケア・教育・臨床・エコロジー、さらにはジェンダーやマルチカルチュアリズムなど、現代の主要なトピックの問題点や課題、今後のあるべき方向性などをかろやかに提示していく。安易に結論を出さずに、問題提起に徹する部分はそうする姿勢に真摯さを感じた。生態学用語としての共生、シンバイオーシスと、「生の諸様式の雑然たる賑わい」としての共生、コンヴィヴィアリティの区別は、共生を考えるうえで絶対に外せないポイントだとおもった。竹内敏晴の、ことば以前のものに共振する身体としての共生態という用語が気になった。2018/03/13