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出版社内容情報
神なき時代を生きる倫理としての芸術の可能性は? また、近代芸術論から見た日本文化のありようは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koushi Kawasoe
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「日本では芸術が、茶道や華道の例を待たずして、人々の生活規範や道徳的役割すら担っている。それは、西欧において宗教が果たしてきた役割であった」といった部分はかなり共感できる。著者は芸術の社会に対する独立性と批判による変革の力を信じて、宗教と芸術の双方からの世俗化による安易な妥協や迎合を芸術の側から厳しく批判した。オウム真理教を始め宗教が問題視された発行当時から年月を経た近年でも、消費財として宗教が取り扱われ、目を覆いたくなる事例には事欠かない。その意味で宗教の側に立つ私も襟を正すきっかけとなる一冊であった。2019/02/19