内容説明
構造的不正義はいかに生まれ、いかに維持されるのか。そして、正義への責任を果たすにはどうすればいいのか。こんにちの政治の核心を突く主題を、ロールズ、アーレント、ファノンらの議論を駆使して論じ、「社会的つながり」のなかで、罪ではなく責任を担うことを提唱する。本書は、現代最高の政治哲学者の一人、アイリス・マリオン・ヤング(1949‐2006)が病のなかで執筆に打ち込み、遺作となった彼女の主著である。哲学者マーサ・C.ヌスバウムが、ヤングの人物像を語るとともに、本書について解説した緒言を収めた。
目次
第1章 自己責任から政治的責任へ
第2章 正義の主題としての構造
第3章 「罪」対「責任」―ハンナ・アーレントをめぐるひとつの読解、そして実践的批評
第4章 社会的つながりモデル
第5章 国境を越える責任
第6章 責任を避ける
第7章 責任と歴史的な不正義
著者等紹介
ヤング,アイリス・マリオン[ヤング,アイリスマリオン] [Young,Iris Marion]
1949‐2006年。アメリカの政治哲学者。ピッツバーグ大学公共・国際問題大学院を経て、2000年からシカゴ大学政治学部教授。在職中に食道がんで死去。政治理論、フェミニズム理論の分野で多彩な執筆活動を展開
岡野八代[オカノヤヨ]
1967年生まれ。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専攻は政治思想、フェミニズム理論
池田直子[イケダナオコ]
1979年生まれ。ヨーク大学大学院女性学部博士後期課程。Women in Conflict Zone Network研究員。専攻はフェミニズム平和理論、軍事暴力のジェンダー分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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小鈴
すずき
_ray4472
砂糖 翠