種痘伝来―日本の“開国”と知の国際ネットワーク

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  • サイズ A5判/ページ数 216,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000259361
  • NDC分類 493.82
  • Cコード C0021

内容説明

一七九八年にジェンナーが発表し瞬く間に世界にひろがった牛痘種痘。しかし「鎖国」政策下の日本への導入には五〇年の歳月を要した。最新技術を日本に伝え、広めようとする苦闘のなかで形成されていった国内外の医師や学者の知的ネットワークを辿りながら、その後の日本の近代化を準備することにもなった彼らの営みを生き生きと描き出す。

目次

第1章 天然痘に立ち向かう
第2章 ジェンナーの牛痘ワクチン
第3章 周縁を取り込む
第4章 オランダとのつながり―バタヴィア、長崎、江戸
第5章 ネットワークを構築する―蘭方医たち
第6章 種痘医たち
第7章 中央を取り込む

著者等紹介

ジャネッタ,アン[ジャネッタ,アン] [Jannetta,Ann]
1932年生まれ。ピッツバーグ大学歴史学部名誉教授。日本近世史

廣川和花[ヒロカワワカ]
1977年生まれ。大阪大学適塾記念センター准教授。近代日本医学史・医療史

木曾明子[キソアキコ]
1936年生まれ。大阪大学名誉教授。文芸学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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5
イギリスの医師ジェンナーが発表し瞬く間に世界にひろがった牛痘種痘。この本は、ジェンナーの発見がどのようにして西欧から日本へ伝わり、普及するを海外からの視点で検証した本。なぜ牛痘によるワクチン療法が画期的だったのか、天然痘がいかに恐ろしい病気かなど驚きが多かった。 この本にはジェンナー・ドゥーフ、シーボルト、緒方洪庵、手塚治虫の曽祖父である手塚良庵、松本良順などいろいろな人がちょこちょこと出てくる。歴史好きにはおすすめ。4000円と高価なので図書館でぜひ。 2015/02/11

narihira

1
麻疹も軽けりゃほうそも軽い、両方軽けりゃありがたい2016/08/05

北丸

1
「江戸の理系力」よりもずっと面白い。世界中の医者が種痘撲滅のための戦いを繰り広げていたというグローバルな視点から見る、日本の医療事情。 手塚治虫「陽だまりの樹」でも結構重要なテーマになってる種痘の話なんだけど、手塚良仙の名前が出てきて胸がときめいたw2015/08/30

Hirokazu Ikuta

1
天然痘に牛痘ワクチンが有効なことが証明されたのが1800年頃。世界中に一気に広がったワクチンも鎖国中の日本には届かなかった。ワクチンの輸入が実現したのは1850年頃。貴重なワクチンを日本全国に数年のうちに広めたのは蘭学者のネットワークだったというお話。当時、保存が難しかったワクチンは、未感染の子供を順番に感染させて運ぶという方法だった。Jin(仁)にはまって以来、医学の歴史に興味のある私。仕事もワクチン関係が多いので、とても興味深く読めました。佐賀藩鍋島氏が嫡男に接種して安全性をアピールしたそうです。2014/05/26

150betty

1
(☆4)ある種の感動を覚える。以前、病の日本史だか何かで読んだ、幕末や明治期に東洋医学ではなく西洋医学が、実際に病を救ったことによって信頼を獲得していったという実例をまざまざと見せつけられる本。対症療法ではなく、再現性を持つ科学の凄みを感じる本。ただ、普通の人はそこまで感動しないかも。2014/03/06

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