統合の終焉―EUの実像と論理

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統合の終焉―EUの実像と論理

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  • サイズ B6判/ページ数 473,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000258999
  • NDC分類 333.7
  • Cコード C0031

内容説明

連邦国家を目指す「統合」の物語は終わった。けれども、もはやEU抜きの統治は考えられなくなっている。「ポスト統合」を生きるヨーロッパをどう捉えたらよいのか。EUの形成過程やその内的なダイナミズムの分析、統合の思想的検討などを通じて、ヨーロッパ統合のもつ豊かな含意を引き出していく。気鋭の国際政治学者がEUの実像と論理に迫る意欲作。

目次

ヨーロッパ統合の政治学―EUの実像と世界秩序のゆくえ
第1部 EUの歴史的形成―統合リーダーシップのドラマツルギー(ジャン・モネ―「ヨーロッパの父」は何を創ったのか;ジャック・ドロール―中興の祖はどう動いたのか;マーガレット・サッチャー―劇場化するヨーロッパ)
第2部 ポスト統合を生きるEU―冷戦、拡大、憲法(鏡としてのヨーロッパ統合―「地域」の作り方と安全保障、経済統合、人権規範;拡大ヨーロッパの政治的ダイナミズム―「EU‐NATO‐CE体制」の終焉;統合の終焉―フランス・オランダによる欧州憲法条約否決は何を意味するのか)
第3部 危機の下のEU/ユーロ―正統性、機能主義、デモクラシー(ポスト・ナショナリズムにおける正統化の諸問題―国家を超えたデモクラシーは可能か;ユーロ危機の本質―EUの正統性問題からグローバルな「政治」危機へ)
第4部 国際政治思想としてのEU―世界秩序における主権、自由、学知(ようこそ「多元にして可分な政治体」へ―EUにおける主権と補完性;国際政治における自由―EUシティズンシップの問いかけ;日本におけるEU研究の可能性―方法論的ナショナリズムを超えて)

著者等紹介

遠藤乾[エンドウケン]
1966年生まれ。北海道大学法学部卒業。カトリック・ルーヴァン大学修士号(ヨーロッパ研究)、オックスフォード大学博士号(政治学)。欧州委員会「未来工房」専門調査員等を歴任。現在、北海道大学大学院法学研究科・公共政策大学院教授。専攻は国際政治、ヨーロッパ政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mininayo

1
率直に言って、ドロールを扱った第三章の叙述はつまらない。ここで読むのをやめようかと思ったくらいだったが、その他の章はそれぞれ勉強になる内容だった。特に補完性の思想史を扱った第十章は興味深い内容だった。2016/08/09

cocoro vagabonda

1
憲法を共有する連邦となる像を失った後に、国家とも国際機関とも異なる形で存在し続けるEUについて、その現状と背景にある思想の両面を描き出した書。検討は多岐に渡るが、個人的にはEUを特異なものとしている「補完性」の思想的検討にあてられた第十章が興味深い。神聖ローマ帝国との相互依存とカルヴァン派都市としての自治を両立させようと尽力したアルトゥジウスと十九世紀の「社会主義者」プルードン、そして教皇ピウス十一世にその起源を辿れるという「補完性」の奇妙な相貌はそのままEUという存在のユニークさの一面を表しているよう。2014/02/09

むっち

1
 統合の終焉というタイトルは、EUを既存の国家を物差しにして議論することは終わりだという意味なんですね。正直、EUに関して、あまりにも知らなすぎたと思った。イメージは社会民主主義的な連邦国家を目指すが、自由主義的潮流に翻弄されているという自分のイメージとはかけ離れた現実の姿を人物に光を当てる前半の部分とホッブス。ルソーの時代から議論のあった民主と統合の問題まで溯る後半の理念の部分と政治学には素人ながら、結構刺激を受けた。無知すぎたのかもしれないし、政治学を学ぶ人にはあたりまえなのだろうが、冷戦構造から生ま2013/08/28

nabebe

0
読み終わった。長かった。著者の授業を受けていることもあり、「国家」でも「国際組織」でもないUPOであるEUの全体像をつかむために読んだのだが、宗教が絡んでくる歴史や、構造的な部分がいまいちわかりにくかった。しかし、大まかな流れが分かっていれば良いと言うことなので、そういうことを押さえていきたい。2017/01/19

在我壷中

0
『ポスト統合』と目指した連邦国家を『終焉』と。しかし、ナショナリズムは主権は通貨、財政は・・・『軍事的脅威』の時代は今はもう昔。では経済的規模を拡大しアメリカへ対抗する『大欧州』を謳うと?・・・我が国には、EU統合から何を学ぶと、戦後、自由民主主義を、55年体制後には『二大政党制』『政権交代』と今には『道州制』『大阪都構想』・・・維新以降開国近代化と欧米を先進国と追い続け大学には今だヨーロッパ大学のカーボンコピーと。そして、そんな今に世界は将に『ソーシャル・キャピタル』『ジオポリテクス』を謳うのでしょう。2013/11/04

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