出版社内容情報
常にどこかでバブルが起き,それを頼りに各国経済が成長を確保する――リーマン・ショックは「バブル・リレー」に終止符を打った.国際余剰資金は重債務国の国債に向かい「ソブリン不況」が発生,米の量的緩和策は投機を呼び株価下落と景気減退,さらに新興国のインフレ抑制策による成長減速を生んでいる.バブルなき経済の苦悩と展望を探る.
内容説明
世界のどこかでバブルが起き、それを拠りどころの一つにして先進各国の経済が成長軌道を確保する―二〇〇八年に起きたリーマン・ショックは、この「バブル・リレー」に終止符を打った。しかし現在、だぶついた国際余剰資金は行き場を求めて重債務国の国債に向かい、ギリシアをはじめとする「ソブリン不況」が発生。一方、アメリカの量的緩和策は投機を呼び株価下落と景気減退をもたらし、インフレを恐れる新興国は抑制策に走り成長減速を余儀なくされている。バブルなき経済の苦悩はいつまで続くのか。海図なき世界経済の展望を探る。
目次
第1章 バブルなき金融の憂鬱―肥大化した金融に再びクラッシュのリスク
第2章 ヨーロッパ金融不安の真相―投機に狙われるソブリン・リスク
第3章 「失われた一〇年」にあえぐアメリカ―空回りする財政・金融政策と地域経済の疲弊
第4章 減速するアジア経済と「揺れる」日本
第5章 バブルレス・エコノミーの苦悩と展望
調査報告1 「ドルの将来」をめぐって
調査報告2 IMFをめぐって
著者等紹介
山口義行[ヤマグチヨシユキ]
立教大学経済学部教授。金融論。中小企業サポートネットワーク「スモールサン」主宰。1951年生まれ。立教大学大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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