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歴史が後ずさりするとき―熱い戦争とメディア

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  • サイズ B6判/ページ数 380p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000256629
  • NDC分類 974
  • Cコード C0098

出版社内容情報

政治とメディアの現実を鋭く批判するエーコの評論集.グローバル化の中の軍事衝突,原理主義の台頭,とめどなく娯楽化していくメディア――.社会が狂信と軽信にますますおおわれ,歴史があたかも進歩をやめて後ずさりし始めたかに見える21世紀の行方に,エーコは知識人の使命を問い直しながら激しく警鐘を鳴らす.

内容説明

政治、社会、メディアの現実に鋭い批判の矢を放つウンベルト・エーコの二一世紀発言集。グローバリゼーションが進むなかでの軍事衝突、原理主義の台頭、とめどなく娯楽化してゆく一方のメディア―。社会が狂信と軽信にますますおおわれ、歴史があたかも進歩をやめて後ずさりしはじめたかに見える二一世紀の行方に、エーコは知識人の使命を問い直しながら、激しく警鐘を鳴らす。

目次

1 戦争、平和、その他のこと
2 グレート・ゲームへの逆戻り
3 十字軍への逆戻り
4 『神学大全』その他
5 人種の防衛
6 第三千年紀初めの黄昏

著者等紹介

エーコ,ウンベルト[エーコ,ウンベルト][Eco,Umberto]
1932年、北イタリアのアレッサンドリャに生まれる。世界的な記号論学者にしてヨーロッパを代表する知識人。評論・創作に幅広く活躍する

アマデイ,リッカルド[アマデイ,リッカルド][Amadei,Riccardo]
1945年、北イタリアのトリーノに生まれる。1968年、日本政府給費留学生として来日、東京藝術大学に学ぶ。現在、翻訳者・同時通訳者として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

25
2006年初出。著者は1960年代初頭、平和行進に参加する平和主義者(13頁)。見習いたい。ネオ戦争には勝者も敗者もない。結果として永久に続くネオ戦争(36頁)。平和とはグローバル概念で考えないと提唱する価値はない(37頁)。現在は歴史的に新しい、50年前において考えられなかった状況(55頁)。陰謀症候群は必ず被害妄想を含む(77頁)。強者はやりたいことをやり、弱者はそれに順応する(87頁)。創造性が商業的定義に帰結するのみでは不十分だと気づかされる。芸術的創造性が少ないためだ(96頁)。    2014/09/11

kthyk

14
テーマは戦争とメディア。最早戦争は敵が誰であるのかが不明。正面からの衝突ではない。経済勢力の競い合う論理の方が国家勢力の論理よりも優位に立つ。ネオ戦争は多国籍企業の論理と情報産業のニーズにも従わなければならない状況に置かれている。ネオ戦争では誰もが自分の後方に敵を持つ。ネオ戦争は双方の交戦者にとって敗北に終わる。ネオ戦争には勝者も敗者もなく、永久に続く状態。一方、遊びは体に有益、労働による悲しみを取り去り、知的能力を高める。しかし、問題は労働の時間もカーニヴァル化されたこと。2020/12/05

更紗蝦

13
収録されている論文やエッセイの発表時期が2000年から2005年にかけてであるせいか、イラク戦争がらみの内容が多い印象ですが、読んでいて一番強烈に印象に残ったのは、2002年の国際科学会議での講演(161ページの『科学・技術・魔術』)で、まるで、のちに日本で起こるSTAP細胞騒動に対して予め言及したかのような内容です。当初、小保方氏をノーベル賞を受賞して当然のごとくまつりあげたマスメディアや、そういった報道を鵜呑みにした視聴者は、エーコの言うところの「魔術にとらわれたメンタリティ」の虜だったと言えます。2016/03/17

yooou

11
☆☆☆☆★ 博覧強記のエーコなのでガチガチに堅い内容かと思っていましたが、ぐっと人間臭い生身のエーコに出会える本でした。そっかエーコってこんな人なんだね。ますます好きになりました。2013/06/29

あんころもち

10
中世における「魔術」とは、中間段階を踏まないで即座に、原因から結果へといたることができると想定することだ。その「魔術」とは、教育を受けた人であれば絶縁したはずである。しかし、人は「科学」をそのような目で見るようになった。病院に行けばとりあえず病気は治ると思い込む。一方で基礎的な研究への支援については冷淡である。地道な研究がなくとも、人々は科学から利益を受けられるものと信じている。人は進歩しているようでむしろ退化しているのではないか。他のエッセイも含めて、「歴史が後ずさりするとき」という表題は秀逸である。2015/02/13

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