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読む力・聴く力

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  • サイズ B6判/ページ数 194p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000254540
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

読むこと・聴くことは、現代の人間の生き方にどのように関っているのか。臨床心理、ノンフィクション、詩において、読む聴くを深く実践してきた三者が、その意味を問い直す。

内容説明

読むこと・聴くことは、人間の精神活動の基本です。高度情報社会のいま、パソコンやインターネットによってそれはきわめて簡単になりましたが、どれだけ人間の生き方や社会のあり方に関わる深い体験になっているでしょうか。本書は臨床心理、ノンフィクション、詩という分野で活動を続けてこられた三人が、現代におけるその意味を問い直そうとするものです。読むこと・聴くことが、人間が生きることに深く関わっていくためには―三人のお話をおききください。

目次

はじめに(「読む 聴く」の大切さ;生涯何冊本を読めるか;言葉のほかにも)
講演(読むこと・聴くこと・生きること;人間の未来と読むこと・聴くこと)
アンソロジー(小アンソロジー)
シンポジウム(読む力・聴く力)

著者等紹介

河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年生まれ。臨床心理学者。京都大学数学科を卒業。1962~65年、スイスのユング研究所に留学。日本で最初のユング派分析家になる。帰国後はユング心理学の普及につとめるとともに、臨床心理学の発展に力をつくす。また、欧米と異なる日本人の心性を考えるために、日本の神話や宗教を研究。京都大学教育学部教授、国際日本文化研究センター所長を経て、2002年1月より文化庁長官。『昔話と日本人の心』(岩波書店)で大佛次郎賞。『明恵 夢を生きる』(京都松柏社)で新潮学芸賞を受賞

立花隆[タチバナタカシ]
1940年生まれ。ノンフィクション作家。東京大学仏文科卒業。1974年『田中角栄研究―その金脈と人脈』(「文藝春秋」11月号)で金脈批判の先鞭をつけた。以後多くの社会的問題や知的課題に取り組む。その徹底した取材と卓抜な分析力による文筆活動で、1983年菊池寛賞、1998年司馬遼太郎賞受賞

谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年生まれ。詩人。処女詩集『二十億光年の孤独』(1952年)が激賞され、以降詩人として今日に至る。絵本、作詞、ビデオなど創作活動の領域は広く、多数の著作がある。詩集『日々の地図』(集英社)で読売文学賞を『マザー・グースのうた』(草思社)で日本翻訳文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モリー

66
タイトルの「読む力・聞く力」の前に《何を》の部分が抜けている。私たちの多くは、《何を》の部分が書かれていなくともそれが《言葉を》であることを暗黙の了解として読み進めるのではないだろうか。そして、その言葉は文字化されていることを当然のこととし、その言葉がつくる世界の中で思考を巡らせてしまいがちです。三人の対談は、そういう枠の中にいる私たちに枠を超えた場所から枠の中の世界を見る視点も与えてくれたように思います。2023/07/11

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

44
河合隼雄さんと立花隆さんの講演の後、谷川俊太郎さんの詩が何編か挟まれた後、3人の鼎談という形で「読む」こと「聴く」ことについての講演会の模様を書き起こした一冊。同じ聴くでも、河合さんのカウンセラーとして聴く聴き方と、立花さんのジャーナリストとしてのインタビューの聴き方、谷川さん詩人は世界を日常を読み、聴いている。印象的だったのは、立花さんの講演パートで、聴く=わかる、ということ。聴覚で聞いて側頭葉に入り、最後に頭頂葉で色々な感覚器官から脳に入った情報が統合されてわかるということが起こるという部分。2015/10/29

ネジ

37
★★★★☆ 読むこと・聴くことに対する臨床心理士、ジャーナリスト、詩人という三者の考え方と対談。立花氏は新しい情報、考え方を知る事で、見えなかった世界が見えることによる感動が読書の原動力とした。私は三者の中で立花氏の姿勢に酷似していた。 ①河合氏は臨床心理士として、患者の言葉ではなく言外の情報を聴くことに集中している。 ②立花氏は1冊の本を書くのに100の本を読むことを目安とした。 ③当時はネット黎明期であった。著者らはネットの即時性に希望を持ちつつも、思想が時間をかけずに発信される危険性を懸念していた。2023/12/24

純子

23
カウンセリングで人の話を聴く河合隼雄さんと研究者から話を聴く立花隆さんとでは、聴き方が全然違う。河合さんは相づちを打つ程度で聴き、けれど勝負師のように気を張って聴くのだそうだ。立花さんは相手にどんどん質問をぶつけながら相手の話を引き出すように聴く。同じ聴くという活動でも様々なんだなと興味深く読んだ。耳だけでなくこころも同時に傾けて相手の声を聴くような、穏やかで豊かなひとになりたいと思う。2016/11/11

スズコ(梵我一如、一なる生命)

18
シンポジウムでのお三方の話を文章に起こした一冊。凄いサクサクと読めた。面白かったのは、ある1つのテーマに沿って科学的に突き詰める方の立花隆さんと、心理学というもっと神秘的な大きなものを捉えようとする河合さんの物事に対する捉え方、反応の違い。最終的には同じ意見にたどり着くのだけれど、パッと出たお題に対しては、それぞれ異なった反応を示している。きっと、それぞれ経験的に想定するアプローチが具体的なテーマに対するものか、そうでないのかの違いからなのだろう。2017/09/25

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