森と悪魔―中世・ルネサンスの闇の系譜学

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  • サイズ A5判/ページ数 451,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000252928
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C3022

出版社内容情報

魔物のひそむ驚異の森から,近代の孤独な魂を癒す自然のトポスへ.ヨーロッパの森の変貌が語る,陰の精神史とは何か.16世紀の多様なテクスト群に,森の想像力の転換のプロセスを追い,近代前夜の闇の系譜を明るみに出す.

内容説明

森をトポスとして、中世・ルネサンスの言葉の宇宙をわたり、ヨーロッパの想像世界の基層を照らし出そうとする闇の系譜学。かつて森は、物語の宝庫であった。多くの民話や童話の世界に欠かせない道具立てを提供していた。魔物の潜む恐怖の森から、管理と保護の対象としての森へ。驚異の自然から、都市の喧噪を逃れる癒しの自然へ。森の想像力の変容を追って、韻文・散文作品から、日記・書簡、法令集、林業・農学の書まで、中世・ルネサンスのテクスト群を横断する。森の風景を行き交うものが怪物や妖精たちから、不安な内面を抱えた近代人に変わる16世紀後半、悪魔学が隆盛を迎え、魔女狩りは猖獗をきわめていた。表象としての森の転換は、都市化され、文明化され、キリスト教化されていく、「近代」前夜の陰の心性史を象徴している。

目次

かつてヨーロッパは森林の王国だった
森と人間
想像界の森(呪われた空間;摩訶不思議の空間)
森の文学的イメージの変容

著者等紹介

伊藤進[イトウススム]
1949年生まれ。専攻、16世紀フランス文学・思想。現在、中京大学教養部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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