出版社内容情報
植民地の言語環境が生んだクレオール文学として,宮沢賢治の文学を読む.賢治の「東北」,それこそが雑種的文学の創造性を作品に刻印した複合文化のトポスであった.ポスト植民地主義の世界史的な課題に連なる東北文学論.
目次
1 東北文学論―植民地文学からクレオール文学へ(カフカ 雑種的思考/複数の胸さわぎ;コンラッド さまよえるポーランド文学)
2 植民地の擬人法(音楽と食文化)
3 植民地主義のはじまり
4 プロスペリズムの終わり(ガラクタとしてガラクタに接する―私の方法叙説)
5 新山人文学論
6 ベーリング鉄道から銀河鉄道へ
7 冷戦と文学
8 クレオールな文学