万葉仮名でよむ『万葉集』

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  • サイズ B6判/ページ数 207p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000248105
  • NDC分類 911.12
  • Cコード C0092

出版社内容情報

万葉仮名に戻して読むとき、なじまれた万葉歌がおよそ見も知らない姿を現す。書字の姿から、名歌を読み直し、そこに日本語を造りだそうとする創造的な工夫と実験をつきとめる。書記法に力点を置く、独創的な日本語創世記。

内容説明

万葉名歌の知られざる姿―万葉仮名とは独自の表記体系であり、変容のダイナミックスをうちに宿した、「異形の漢字」である。漢字歌の姿に戻ってよみ直すとき、気づかれなかった意味とイメージの奥行きが如実に現れる。万葉仮名の書記法から女手=平仮名の成立へ。その過程に、新しい表現への欲望に突き動かされた、創造的な工夫と試行を掘り起こす。それはまさに、日本語の個性が誕生する出来事にほかならなかった。書字の現場から、新たな意味と文体と韻律の生成を追跡する、日本語創世記。

目次

第1章 万葉仮名とは何か(漢字歌としての『万葉集』;古今和歌は平仮名歌 ほか)
第2章 異形の漢字=万葉仮名が語る意味(弧島の国歌;三筆と万葉仮名 ほか)
第3章 文化の曲り角―表語文字から表音文字へ(表語文字から表音文字へ;擬音・擬態・擬情語 ほか)
第4章 女手・平仮名の成立によって何が変わったのか(三蹟と書と近代;鶴と鴨 ほか)
終章 万葉歌の二重性―万葉から古今へ

著者等紹介

石川九楊[イシカワキュウヨウ]
1945年生まれ。5歳から書に親しむ。京都大学法学部卒業。在学中より、書のグループ結成、研究誌の創刊に参加するなど、書家として活動する。1978年、11年在籍した化学会社を退職し、京都で書塾を始める。90年、『書の終焉―近代書史録』でサントリー学芸賞受賞。96年、書史研究のライフワーク3部作となる『中国書史』を発表。02年、書史の第2作『日本書史』で毎日出版文化賞受賞。第3作『近代書史』は09年に刊行され、大佛次郎賞。京都精華大学教授。現在は、年2回以上、東京を中心に旺盛に書展を開催する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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まちゃ

12
アイヌ語の民謡や言葉を書きとめる時、文字を持つ側の人間達が自分達の言葉に当てはめて解釈した事によってアイヌ語を確立させたことは知らなかったです。別の言語を学ぶ時は自分の使用する言葉と切り離して考えるべきなんですかね。。

takao

1
☆独立国家への機運が万葉仮名を産んだ。漢字の限界を超える機運。2018/02/12

あまの

0
良作。著者の漢字に対する知識が深く、万葉がなをわかりやすく解説している。何度も読み返したくなる一冊。2012/07/10

kinaba

0
☆ 大変面白かった。ほとんど漢詩に近い、意味で漢字を用いていた前記万葉歌から、ほとんどひらがなとなった一文字一音の最後期の万葉歌までのグラデーション、どの文字から開かれどの文字が残るか、一文字一音にあてる漢字にしても漢字の意味を残した多彩な選択。なるほど、かな漢字に翻訳された形ではなく万葉仮名で味わうとよいとの言に頷ける。/ 今代尓之樂有者来生者蟲尓鳥尓毛吾羽成奈武2018/11/08

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