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亡国の安保政策―安倍政権と「積極的平和主義」の罠

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  • サイズ B6判/ページ数 132p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000247863
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0031

内容説明

「積極的平和主義」を掲げ、日本版NSCの設置、秘密保護法の制定、そして、集団的自衛権の行使容認へと舵を切った安倍政権。その裏で歴史認識をめぐり近隣諸国との軋轢は増し、靖国参拝により米国までが「失望」した。隣国の軍事的“脅威”を煽り、理念独走の安保政策がいかに「国益」を毀損するのか、正面から検証する。

目次

1 安倍政権は、何をしたいのか
2 安倍政権の特質
3 憲法解釈と安保政策
4 七つの「具体例」
5 「積極的平和主義」の罠
6 米中のはざまで、どう生きるか
対談(混迷を深める日中関係をどうみるか;米中パワーバランスの変化と、日本の立ち位置)

著者等紹介

柳澤協二[ヤナギサワキョウジ]
1946年東京生まれ。70年東京大学法学部卒業後、防衛庁(当時)に入庁。防衛審議官、運用局長、人事教育局長、防衛庁長官官房長などを経て、2002年防衛研究所所長。04年から09年まで小泉、安倍、福田、麻生政権で内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)として、自衛隊イラク派遣など、官邸の安全保障戦略の実施を支えてきた。現在、NPO法人「国際地政学研究所」理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gummo

33
著者は元防衛官僚。現実に即した分析で説得力がある。対談での植木千可子・早大教授の言葉が印象的だったので、少し長くなるが引用しておく。「安全保障を考える時に、軍事力の行使の可能性は絶対についてくるもので、その現実は無視できません。軍事力行使というのは、人の命が奪われることですので、誰かを殺すということだと、しっかり覚えてないといけません。そうすると、人の命を犠牲にしてでも守りたい『大事なもの』は一体何なのかを、国民がしっかり議論する必要があります。その『大事なもの』が国家像だと思うのです」★★★☆☆2014/08/08

壱萬弐仟縁

16
官邸主導によって日本が自ら状況設定するような大国的な政策決定を目指すかどうか(4頁)。知る権利は、主権者国民が、政府の政策を検証、納得するためにある(9頁)。戦争は政治の延長。政治の失敗が、無駄な戦争を引き起こす。この自覚を欠けば亡国の安保政策(88頁)。天児慧教授によると、戦争をしない、世界平和をつくり上げていく、そこで国際貢献をするというのは、非常に重要な意味を持っています(111頁)。植木千可子教授によると、自由で平和な世界(130頁)。2014/11/29

coolflat

8
米国は1945年の段階では日本を再び軍国化させないかが大事だったが、1950年の段階では共産主義をどれだけ抑えるかに主眼が変わる。上手に占領するために天皇制や様々な国家の仕組みを残し、かつての戦争指導者も復帰させた。平和憲法が作られた時と日本が独立した時と主権を回復した時の国際情勢は実は全く異なっていた。歴代政権はそれに順応してきたが、安倍政権はそれが屈辱的なので、矛盾を解決するために憲法修正、それが歴史修正主義と結びつく。情緒的で抽象的で非論理的で非戦略的なのが安倍政権の特徴だ。亡国へ導くのも当然だろう2014/09/16

sasha

8
「私は思います」。安倍晋三が記者会見で集団的自衛権の行使について説明した時、何度かこのフレーズが出て来た。え?思い付き?それでこれまでの憲法解釈は間違っていたとか、憲法改正しますとか言っちゃってるのか。理路整然と安倍政権の危うさを指摘している本書はアベガリスクなのを教えてくれる。「日本を取り戻す」。自民党のポスターにあったキャッチコピー。わたしゃ安倍政権から日本を取り戻したいよ。トホホ。2014/06/10

加藤久和

8
解釈改憲など安全保障に関して安倍政権は何がしたいのかと問われて著者は「そうしたいから、する」以外に論理的な答えはないと言う。では「そうしたい」理由とは何か。それは日米安保条約を堂々たる双務性にすることだ。これは第一次政権の頃からの安倍晋三の一貫した悲願であるが、この間の国際情勢の変化は一切考慮されていない。他者の存在が見えず自分の思いだけで突っ走るこの男はとにかく危険極まりない人物だ。腰帯の「日本にとって最大の"脅威"は安倍政権だ」という文句がこの内閣の本質を表している。説得力のある良書だ。2014/05/25

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