出版社内容情報
文革時期にモンゴル族の5人に1人が「民族分裂主義者」とみなされ、公式発表でも3万人近くが殺害された内モンゴルで何があったのか。体験者への綿密な聞き取り、同時代資料、国内外の研究を渉猟し隠蔽されたままの過去を明らかにする。
内容説明
他に先がけて文革の火蓋が切られた内モンゴルでは、かつて日本時代に教育を受けた者たちが、「内モンゴル人民革命党」一派として粛清された。さらに階級闘争論によって、漢族による草原の開墾とモンゴル族の迫害が正当化され、家畜と遊牧地は奪われ、モンゴル人への殺害がエスカレートしていった。戦慄の悲劇を招いた内モンゴルの文革。その要因と拡大化の実態を、体験者の証言を軸に克明にたどる。対日協力者はなぜ民族分裂主義者に仕立てられたのか。
目次
はじめに―内モンゴルの文化大革命に至る道
「社会主義中国は、貧しい人々の味方」―中国共産党を信じた牧畜民バイワル
第1部 「日本刀をぶら下げた連中」(日本から学んだモンゴル人の共産主義思想―一高生トブシン、毛澤東の百花斉放に散る;「亡国の輩になりたくなかった」―満洲建国大学のトグスの夢;「モンゴル族は中国の奴隷にすぎない」―「内モンゴルのシンドラー」、ジュテークチ)
第2部 ジュニアたちの造反(「動物園」の烽火―師範学院のモンゴル人造反派ハラフー;陰謀の集大成としての文化大革命―師範大学名誉教授リンセの経験;漢人農民が完成させた「光栄な殺戮」―草原の造反派フレルバートル)
著者等紹介
楊海英[ヨウカイエイ]
モンゴル名オーノス・チョクトを翻訳した日本名は大野旭。1964年、内モンゴル自治区オルドス生まれ。北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。89年3月来日。国立民族学博物館・総合研究大学院大学博士課程修了。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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