内容説明
いま「心の病」が子どもに急激に増加しているにもかかわらず、病名ばかりが一人歩きし、子どものほんとうの姿が見えなくなっているのではないか。子どもの現実を見据え、どう支えてゆけばいいのか、診療現場から提案する。
目次
第1章 居眠りの効用
第2章 子どもたちは変わったのか
第3章 思春期という危機
第4章 この子は病気?
第5章 親という幻想
第6章 居場所探し
第7章 ネット上の居場所
第8章 ミルトン・エリクソンへの旅
第9章 病名で呼ばないで
第10章 支えること
著者等紹介
末永俊郎[スエナガトシロウ]
1921年生まれ。1943年東京帝国大学文学部心理学科卒業。元、東京大学・日本大学・帝京大学教授
河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年生まれ。1952年京都大学理学部(数学専攻)卒業。京都大学名誉教授。教育学博士
木下冨雄[キノシタトミオ]
1930年生まれ。1954年京都大学文学部哲学科(心理学専攻)卒業。1956年京都大学大学院文学研究科(心理学専攻)修士課程修了。京都大学名誉教授。甲子園大学学長。文学博士
中島誠[ナカジマセイ]
1924年生まれ。1948年京都大学文学部哲学科(心理学専攻)卒業。京都大学名誉教授。文学博士
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
昭和っ子
19
優しい語り。「外来で出会う子供達は、授業中に居眠りした事がない」居眠りの効用に気づいた著者が、その事を自分の学生達に講義すると、目の前で次々に実践されて凹んだ、という所にクスリ。アメリカの臨床家ミルトン・エリクソンの「障害を財産とする」生き方に心酔されていて、こちらも魅了された。一人の子供にいろんな面があることの例えに「我が家の柴犬ポリー」の多彩な人格ならぬ「犬格」の話を出されていて、これも良かった。ご本人による本文イラストもすごく良くて、読んで嬉しくなる本でした。2015/08/15
ひらちゃん
9
図書館本。体調を崩しやすく休みがちな息子。最近、心配がつのりいろんな本を手にしてみる。母は余裕を持っていないと…。わかってはいるけどなかなか難しい。とにかく家ではリラックスできるよう心がけたい。とりあえずは「程よい母親」を目指してみよう。2015/06/13
fonfon
4
息子が調子悪かった去年の今頃、もっとも心の支えとなっていました。著者に感謝です。2011/04/01
くま 1 3
0
青木先生の本です。 何回も読みました。
アンパン
0
「ほどほど」という言葉。症状は人を苦しめるが守ってくれるものでもある。「病気」ということで青年への眼差しが変わり、腫れ物に触るようになったり、同じ人間の苦しみだという見方が失われるようになるならば、青年にはマイナスの影響を与える。青年自身も自らの問題を病気と理解し自らを病人と思い込んでしまうので留意が必要。グレーゾーンの人達には病人として治療するより、様々な人達を少しでも支えようとする社会になることに力を注ぐ方が大切。グレーゾーンに精神医学が病名をつけ治療することに私は賛成できない。などが印象に残った。2020/02/06