不況の経済理論

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  • サイズ A5判/ページ数 317p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000246736
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C3033

出版社内容情報

前世紀から20年以上不況の渦中にある日本経済に対して,既存の経済理論に基づいた景気対策は効果を発揮しなかった.この深刻な現状を脱するために,今こそ新たな経済学の枠組みが求められている.本書では,人々の貨幣保有への欲望に注目して「恒久的な流動性のわな」という

内容説明

1990年代初頭から20年以上不況の渦中にある日本経済に対して、従来の経済理論が提起した景気対策は必ずしも効果を発揮してこなかった。いまこそ、この深刻な現状を脱するための新たな経済学の枠組みが求められている。この本では、新古典派経済学やニュー・ケインジアンが採用した方法論を踏襲しながらも、人びとの貨幣保有への欲望、すなわち貨幣需要の非飽和性に注目し、「恒久的な流動性のわな」という経済学の新たな領域を描き出す。このように展開された不況の動学的一般均衡モデルに基づいて、従来とは異なった政策提言を行う。

目次

1 不況動学理論の構造(経済変動理論の再考;不況動学モデルの基本構造;消費の週刊形成;地位選好がもたらす経済成長と長期不況)
2 景気と経済政策(財政政策;家計への課税と労働供給;再分配と総需要;企業の投資・参入への補助金)
3 国際経済への展開(景気の国際相互依存と経済政策;貿易政策と景気の波及効果;海外アウトソーシングと景気;国際間の企業移動と法人税)
4 付論(公正賃金の形成と賃金決定メカニズム;非飽和な流動性選好の実証分析)

著者等紹介

小野善康[オノヨシヤス]
1951年生まれ。73年東京工業大学工学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、大阪大学フェロー

橋本賢一[ハシモトケンイチ]
1976年生まれ。99年大阪府立大学経済学部卒業。大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。現在、神戸大学大学院経済学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Francis

12
ケインズ派経済学者の小野善康先生が橋本賢一先生と組んで出した理論書。普通ケインジアンの書く理論書では外国為替レートの事は理論に組み込んでいないことが多いように感じていたが、この本では経済がある動きをした時に為替レートがどのように動き、その結果経済はどのようになるかが考察されている。最近よく見られる海外アウトソーシングが必ずしも景気の悪化をもたらすわけでなく、経済規模の大きさなど他の条件により左右されることが示されている。2022/07/19

ミッキー

1
小野善康編の有効需要分析をもとに多様な課題を網羅。単著ではカバー出来ていないテーマも説明されており、研究者の蓄積による進展が伺われます。個人的には、企業への課税が海外流出を促進させるものの為替調整により自国財への需要が高まる効果があり、どちらの効果が大きいかが税制の結果が変わるというのが勉強になった。 ビジネスマンも知っておくべき枠組みだと思います。2013/01/02

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