バウドリーノ〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000244275
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

出版社内容情報

あの『薔薇の名前』で世界の読書界の話題をさらった、イタリアの記号学者ウンベルト・エーコがふたたび中世を舞台にして放つ歴史フィクション。
 時は十字軍たけなわの時代。主人公は、神聖ローマ皇帝フリードリッヒ・バルバロッサ(赤髭王)に気に入られて養子となった、貧しいイタリア農民の息子バウドリーノ。彼が夢と冒険を求め、中世ヨーロッパ世界を旅します。歴史と空間の狭間で繰り広げられるバウトリーノの波乱に満ちた大活躍を、エーコが物語作者の真骨頂を発揮して描きます。30数カ国語に翻訳され、世界で200万部以上のベストセラー小説“Baudolino”、遂に日本上陸。

<著者紹介>
 ウンベルト・エーコ
 1932年、イタリアのアレッサンドリア生まれ。
 世界的な記号論哲学者にして、ヨーロッパを代表する知識人。
 哲学的著作以外にも小説、評論など精力的に発表を続けている。
『バウドリーノ』は、『薔薇の名前』、『フーコーの振り子』『前日島』に
 続く小説第4作。著作は他に『カントとカモノハシ』、『エーコの文学講義』
 など。

<訳者紹介>
 堤 康徳(つつみ やすのり)
 1958年生まれ。イタリア文学研究者。
 東京外国語大学大学院修士課程修了。慶応義塾大学講師。
 訳書に、タブッキ『黒い天使』、ズヴェーヴォト『トリエステの謝肉祭』、
 ルッツアルト『反ファシズムの危機』ほか多数。

内容説明

『薔薇の名前』で世界の読者を魅了したウンベルト・エーコが、ふたたび中世を舞台に放つ物語。神聖ローマ皇帝フリードリヒ・バルバロッサに気に入られて養子となった農民の子バウドリーノが語りだす数奇な生涯とは…。言語の才に恵まれ、語る嘘がことごとく真実となってしまうバウドリーノの、西洋と東洋をまたにかけた冒険が始まる。

著者等紹介

エーコ,ウンベルト[エーコ,ウンベルト][Eco,Umberto]
1932年、北イタリアのアレッサンドリアに生まれる。世界的な記号論学者にしてヨーロッパを代表する知識人。評論・創作に幅広く活躍する

堤康徳[ツツミヤスノリ]
1958年生まれ。イタリア文学研究者。東京外国語大学大学院修士課程修了。慶応義塾大学、上智大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

130
北イタリアの貧農に生まれ、ローマ皇帝の養子になったバウドリーノの嘘に捧げた生涯。粗野な郷土の言葉から格調高い王宮の言葉まで彼の語りは劇的に変化する。違和感のなさは率直な物言いや豊かな機知を発揮する人物像の安定感によるもの。留学先パリで出来た仲間たちも個性派揃い、司祭ヨハネの手紙をめぐる執拗な饒舌議論は疲労すら覚える。また、新しい町の誕生は12世紀の不安定で困難な世情を物語っている。次々と宗教の欺瞞を暴きだす主人公の才知を働かせた立ち回りはピカレスク小説の醍醐味。「何を言おうが、私が言えばそれが真実となる」2021/12/17

えか

25
皇帝フリードリヒに気に入られ、農民ながら彼の養子となり、皇帝の歴史の暗躍者となるバウドリーノ。皇帝は実在の人物である。バウドリーノは虚構の人物である。つまりこの小説はこの二つの世界のあわいを愉しむ話である。とはいえ史実に基づけば当然つまらなくなる。かといってフィクションを膨らませすぎるとある問題が生じる。その場合、何故そんな愉快な人物が歴史に残っていないのか?という疑問への説明である。話を面白くさせる行為がここでは自らの首をしめかねないのだ。これはエーコのそんなアクロバティックな創作を愉しむ作品である。 2022/10/30

三柴ゆよし

20
赤髭王フリードリヒの養子となって、学際都市パリで放蕩生活を送り、長じてからは皇帝の懐刀として活躍、彼のために司祭ヨハネ(プレスター・ジョン)の手紙をでっちあげたという稀代のほら吹き名人バウドリーノが語る大冒険譚。周囲を巻き込むバウドリーノの嘘は、ただでさえ混沌とした中世のキリスト教世界をも呑みこんで、とどまるところを知らない。それどころか彼の語る物語自体がどこまでマジなのか、判断のつけようがないわけだから、読者としては、彼の饒舌にひたすら耳を傾けるしかない。本当に楽しいお話とはこういうものだ。下巻に続く。2012/05/31

mm

19
どこまでが史実でどこからがガセなのか、無知な私にはよくわかりません。ささやかな日常の一コマでも、歴史を動かした一瞬と言われるものでも、そうであったらいいなと考える人がいるから事実と認定されるのであり、全く何人も望まないものは言葉として残らないのかもしれない…と言葉の力について想いをグルグルさせられた出だしです。神聖ローマ帝国はなぜ神聖なのか?という問いを考えるためには、参考文献になりそうな本です。なかなか読み進まないのですが、騾馬に乗ってミラノ辺りをポクポク進んでいるつもりで、下巻へ進みます。2016/10/09

ロッキーのパパ

16
ようやく上巻を読み終えた。冒険活劇風の内容だけどウンベルト・エーコらしく仕掛けはいっぱいありそう。でも、ストーリーを拾うのにいっぱいで、深読みする余裕はない(^_^;引き続き、下巻に取りかかる。2010/12/10

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